OpenAI o1(ChatGPT o1)とは何かをやさしく解説、従来と何が違う? 特徴や使い方とは
o1が得意な「自動生成ルーティン」とは
o1モデルのもう1つの強みは、顧客サービス向けのルーティン(ステップ・バイ・ステップの指示)自動生成だ。この機能は、企業の複雑な内部知識を、AIが理解しやすい形に変換する上で非常に効果的となる。 従来の顧客サービス文書は人間向けに作られており、複雑な図表や多段階のプロセスを含んでいることが多い。OpenAIによる別の実験では、o1モデルはこれらのプロセスをAIが実行可能な明確な指示に変換できることが確認された。 OpenAIはこの実験で、自社の「支払い方法の削除」「事業提携契約の取得」などの記事をo1-previewモデルに入力、AIが実行可能なルーティンに変換できるかを試みた。 その結果、o1モデルは以下のようなルーティンを生成することに成功した。 ・具体的な応答文の生成 複雑なプロセスの個別アクションへの分解 外部情報取得やアクション実行に必要な関数の定義 状況に応じたアクション選択のための条件分岐の設計 以下、実際に「支払い方法の削除」に関して、o1モデルが生成したルーティンの一部となる(原文は英語)。 顧客のアカウントを確認する。 a. 丁寧に顧客にメールアドレスまたはアカウントIDを尋ね、アカウントを特定する。 b. verify_customer_account(email_or_account_id)関数を呼び出す。 顧客の身元を確認する。 a. 丁寧に顧客に身元確認のためのセキュリティ情報(例:登録されている支払い方法の下4桁)を提供するよう依頼する。 b. verify_customer_identit(account_id, security_information)関数を呼び出す。 c. 顧客の身元が確認できない場合: セキュリティ上の理由で身元確認なしには進められないことを顧客に伝える。 身元確認の方法についてガイダンスを提供する。 ステップ6に進む。 顧客のアカウントタイプを確認する。 a. check_account_type(account_id)関数を呼び出す。 顧客がChatGPT Plusの購読者の場合: a. ChatGPT Plusの購読をキャンセルする手助けが必要かどうか尋ねる。 b. 顧客が同意した場合: cancel_subscription(account_id)関数を呼び出す。 購読がキャンセルされ、次の請求日の翌日から有効になることを顧客に伝える。 それまでサービスを引き続き使用できることを顧客に伝える。 c. それ以外の場合: 購読をキャンセルするための以下の手順を顧客に提供する: ChatGPTのサイドバーで**'My Plan'**をクリックする。 ポップアップウィンドウで**'Manage my subscription'**をクリックする。 **'Cancel Plan'**を選択する。 キャンセルの有効日と、それまでのアクセス継続について顧客に伝える。 次の請求期間の料金を避けるため、次の請求日の少なくとも24時間前にキャンセルするよう顧客にアドバイスする。 これらの自動生成ルーティンは、特定の顧客対応システムに統合することができる。顧客がヘルプを要求した場合、適切なルーティンを選択し、チャットAIに提供することで、効果的な対話ができるようになると考えられる。 OpenAIの競合となるAnthropicはClaude 3.5 Sonnet、xAIはGrok3を将来的な切り札とするところだが、o1を超えることができるのか、今後の注目点となる。