「粧す」は何て読む?宝塚の男役になるスイッチは、まつ毛やもみ上げ…恥ずかしがり屋の私にとって、舞台化粧は武装であり仮面
◆化粧にはいろんな力がある ひたすら自分の顔と向き合い研究し、ようやく納得がいく舞台化粧ができるようになったのは、15年目ぐらいの時でした。 恥ずかしがり屋の私にとって、舞台化粧は武装であり仮面でした。 濃いドーランを塗り、粉をはたき、チークにアイシャドウ、まつげを付け、眉毛を描き、もみあげを描いていく過程で男役のスイッチが入っていきます。 衣裳を着たら戦闘態勢は万全で、悪役、くせ者、どんな者にもなることができました。 化粧はコンプレックスも自分自身をも隠し、別の自分になることができます。 もう一人の違う自分を発見出来たら、自分を取り巻く厄介なことや、自分自身の呪縛から解放されるのかもしれません。 化粧にはいろんな力があります。 メイキャップ(=make up)は文字通り自分をアップさせます。 自分を素敵に見せようという意識が顔立ちを変え、前向きな生き方や心が顔を作ります。 仮面を取った今でも、私は越乃リュウになる武装をします。 丸腰では戦えない私は、今日も眉をりりしく描き化粧をし、ONのスイッチを入れ、うまい具合に化けています。
越乃リュウ