見上愛”彰子”の覚醒っぷりがすごい…孤立していく道長の未来は? 大河ドラマ『光る君へ』第41話考察レビュー
かつての父と同じく孤立していく道長の行く末は――。
それにしても、敦康親王を二度と内裏に上がらせないように図る道長の行動はやりすぎだ。 あれほど道長に忠実だった行成(渡辺大知)ですら、「恐れながら左大臣様は敦康様から多くのことを奪い過ぎでございます」と苦言を呈する。彰子も道長に抵抗したいが、「政を行うのは私であり、中宮様ではございませぬ」と釘を刺されたばかり。 今の自分に何ができるのか、思い悩む彰子。その横顔を見つめるまひろ(吉高由里子)にヒントを与えたのは、娘・賢子(南沙良)を盗人から救ったあの青年・双寿丸(伊藤健太郎)だった。 平為賢(神尾佑)に武者として仕えている双寿丸。そんな彼が賢子に誘われ、再びまひろの実家を訪れた際に為賢のもとで一人ではなくみんなで戦うことを学んでいると語っていた。 「それぞれが得意な役割を担い、力を合わせて戦えば一人一人の力は弱くとも負けることはない」と。そこからまひろは、「仲間をお持ちになってはいかがでしょう。中宮様には弟君は大勢おられましょう」と彰子にアドバイス。 彰子はすぐに頼通と教通、腹違いの弟である頼宗(上村海成)と顕信も藤壺に呼び、「そなたらが困った時は私もできる限りのことをするゆえ、東宮の行く末のために皆の力を貸してほしい」と告げた。 一条天皇を道長から守りきれなかったことを後悔し、せめて子どもたちは…と立ち上がった彰子。その力強い母としての姿は、兼家(段田安則)に抵抗したかつての詮子(吉田羊)を思わせる。時代はめぐり、父と同じように孤立していく道長はどのような最期を迎えるのだろうか。 【著者プロフィール:苫とり子】 1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。