清水ミチコ「新ネタは〈新しい学校のリーダーズ×瀬戸内寂聴さん〉。テレビで注目された20代より、60代の今が楽しい」
◆60代は理想の生活 プライベートでも、60代は理想の生活を満喫しています。30代になった娘も3年前に結婚して自分の家庭を築いてくれたので、母親業も完璧に卒業しました。おかげで今は、若い頃にできなかったことを思う存分に楽しんでいる毎日です。ビールを飲みながら、話題の映画のレイトショーを観たり、親しい友達とゆっくりご飯を食べに行ったりとか。以前は、時間的、経済的に余裕がなくてできなかったことがすべてできるようになったので、家事はそっちのけで(笑)、毎日がとても充実しています。 60代にもなると、なんとなく「自分のこの先」が見えてきて、ユーウツな気分になってしまうという話も耳にします。でも、最後はみんな「死ぬ」というゴールがあるわけですよね。誰にでも終わりがあるということは、のんべんだらりとしているヒマはありません。いくつになっても緊張感や好奇心を持って、少しでもいいから自分自身を磨いていったほうが楽しいのではないでしょうか。 以前から親しくしていただいている森山良子さんは私より12歳年上なのに、驚くほど若々しいんですよ。70代の現在も数多くのステージをこなし、ボイストレーニングにも通って「0.5度、高い音が出るようになった」と嬉々として自分を磨いていらっしゃる。先日も「『スラムダンク』っていうバスケットにかける少年たちの青春映画を観に行ったんですよ~」とお話したら、「私も2回観に行った! 学生時代はバスケ部だったから」っておっしゃいました。私の年齢でも観た人は稀だと思っていたのに、まさかの2回ですからね。森山さんの好奇心と行動力は本当にすごいと尊敬しています。 思えば、20代の頃からずっとモノマネをしてきた方は、みなさん、その生き方に私が憧れてきた人たちばかり。ユーミンにしても桃井かおりさんにしてもちっとも枯れていない。つい先日、黒柳徹子さんにお目にかかったんですが、90歳になっても相変わらずお話がめちゃくちゃ面白い。私もかくありたいですね。いくつになってもみんなから面白がられる存在で、毎日笑って過ごしたい。生きているうちに人生を存分に楽しんで、この先も大好きなライブを続けていきながら、年を重ねていけたらいいですね。 (構成=内山靖子)
清水ミチコ