マー君の錯覚ではない?メジャーの公式球が「飛ぶボール」に変わっていた?
記事の共同執筆者であるロブ・アーサー記者は、米統計サイトのファイブ・サーティ-・エイト上で、打者が打つときの角度と打球のスピードからも分析。「角度が20から40度で、打球の速度が100マイル(161キロ)以上では、2015年はホームランになったのは72.9%だったが、2016年には74.7%、今年は76.4%に増えた」と指摘した。同じように打球を打っても、2015年、16年、17年とホームランになる割合が高くなっているというわけだ。 だが、メジャーリーグ機構は、この指摘を全面否定した。ニューヨークポスト紙が、これらの報道を受けて、機構側の反応を記事にしたもので、次のような声明を発表したそうだ。 「ボールの質を一定にすることの成果として、我々は、コンサルタントであるマサチューセッツ州立大ローウェル校で、ボールが特別な仕様に達しているかについて、シーズン中とオフシーズンも定期的にテストを行い確認している。また、我々は、第三者機関にボールが最近の打撃に何らかの影響を与えているかどうかの検査も依頼している。しかし、ボールが打撃に影響を与えているという証拠は得られなかった」 ニューヨークポスト紙は、「ボールが変わったとしても、そのことだけが本塁打数が増えていることの要因とは言えないだろう」としている。「例えば、打者はもっとアッパーカットスイングをしているのかもしれないし、ボールを上げるために三振のリスクをとってもかまわないと考え方を変えたのかもしれない」と述べている。これは、言い換えれば、ボールがよく飛ぶことに気づいた打者が、その恩恵に預かろうと、より一発を狙う打撃スタイルにフォームも含めて少しずつ修正していることも影響しているのではないか、という推測だ。NPBでも「飛ぶボール」の問題が大きな話題になったことがある。 「飛ぶボール」に変わると「打高投低」の傾向となり、そういう派手な打撃戦をファンが歓迎して、観客動員に影響を与えるのではないか、という見方もあるのだが、機構側がその変更を認めずに、マー君が被害者の一人だとしたら、なんともやりきれない気持ちになるのかもしれない。