DeNA、史上最大の下克上を生んだ魂のミーティング 語りかけたベテラン宮崎、筒香
「SMBC日本シリーズ2024、DeNA11-2ソフトバンク」(3日、横浜スタジアム) 【写真】帽子とって感謝の三浦監督 気になって仕方ない日本一のリーゼントの今 「SMBC日本シリーズ2024」は3日、横浜スタジアムで第6戦を行い、DeNAが11-2でソフトバンクに勝利。1998年以来26年ぶり3度目の日本一に輝き、三浦大輔監督(50)は大歓声に包まれながら胴上げで5度宙を舞い、史上最大の下克上を完結させた。 ◇ ◇ 経験を共有し、気持ちは一つになった。DeNAは本拠地で痛恨の2敗スタート。その試合後には主将・牧が音頭をとって、選手間だけの緊急ミーティングが開かれた。あと一歩届かなかった歴史を知る17年戦士たちのゲキ。今回は連勝街道が始まった第3戦前に行われた、知られざる練習前ミーティングに焦点を当てる。 闘志に火をつけるだけでは終わらなかった。敵地に場所を移すと、再び牧が動き出す。指名されたのは宮崎、筒香のベテランたちだった。宮崎が言葉を選び、語りかけた。「考え方や価値観はみんな違うし、みんな違う思いがあって日本シリーズに臨んでいるけど、でも勝つっていうことに対しては一緒じゃん」。まずは同じ方向を向いた。 次に、目を向けたのは今後だった。「せっかく日本シリーズっていう舞台に来た。個人としても、チームとしても成長ができるように。何かしらを得て、みんな何か一個でも得て終わろう。今後につなげていこうよ」と後輩らに問いかけた。 さらに筒香も言葉に思いを込めた。「やっぱりプロ野球選手として、自分の準備と結果を出すことは当たり前。もっと人のことを、みんなのことを考えてやろう。それがプロだと思うから」。今年は5年ぶりに日本球界、それも横浜へ復帰。「優勝、日本一が僕のモチベーションでした」と、目指し続けた場所で最高の景色を仲間と見た。 白星を一つずつ積み重ねてたどり着いた史上最大の下克上も、これにて完結。誰かが欠けても、全員でカバーした物語だ。負けて悔しくないんか-。振り返れば、桑原が放った猛ゲキが反撃開始の合図となった。全員で最後まで貫いた一丸野球は、心を通わせた魂のミーティングから生まれた。(デイリースポーツ・松井美里)