三井金属、極薄電解銅箔「マイクロシン」の下期販売数量見通し8%下方修正。通信端末向けなど回復弱く
三井金属は今年度下期における電解銅箔の販売量見通しを下方修正した。主力のキャリア付き極薄電解銅箔「マイクロシン(MT)」は前回発表から8%下振れ、その他電解銅箔も3%下振れて月1600トンとなると見込む。上期から需要は回復傾向にあるものの、想定よりも通信端末向け需要などの回復度合いが弱いという。販売見通しを下方修正したのは、昨年5月10日の当初予想から今回で3回目。8日の決算電話会議で発表した。 MTのうち、ICパッケージ基板(PKG)向けは5%下方修正した。予想よりも第三四半期の需要回復が鈍かった。12月末が海外顧客の一部の決算期末に当たり、在庫を縮小したことが一因とみられ、「実需よりも低い水準での販売となったようだ」と同社は説明する。第4四半期に向けてはスマートフォンやメモリ領域などで回復基調が進むが、第3四半期の低調をカバーしきれないと読む。高密度実装基板(HDI)向けは18%下振れると予想。第3四半期は想定通りに販売が進んだが、第4四半期には北米ブランドスマホの最新モデルが中国市場で苦戦しており、数量を下方修正した。 その他電解銅箔は、フレキシブルプリント基板向けが第2四半期から増加基調が続いているが、中国ブランドスマホが需要回復の力強さを欠いており、想定を下回ると予想。通信インフレ向けは堅調だが、ローエンド・ミドルエンジのサーバー用途は中国需要が低迷しており、「底は打ったが回復してこない」と同社は話す。 通期販売量見通しは、MTが5%下振れ、その他電解銅箔は1%下方修正し月1500トンとした。ただ、前年度対比ではそれぞれ19%増、9%増と上回っている。