ダイハツ、認証不正問題の再発防止策について3回目の四半期進捗を国土交通省に報告 再発防止策102項目のうち94項目が実施済み・実施中に
ダイハツ工業は10月25日、認証不正問題に関する再発防止策の四半期進捗報告について、3回目となる10月16日時点における再発防止策の進捗状況の報告書を国土交通省に提出したと発表した。 【画像】ダイハツ工業株式会社 代表取締役副社長 星加宏昌氏 ダイハツでは、2月9日に公表した「認証不正問題への対応について」において、認証不正における再発防止策を「抜本的な再発防止策についてのご報告」としてとりまとめ、国土交通省へ提出するとともにダイハツ社内で推進している。4月25日には第1回となる四半期進捗報告を国土交通省に提出した。 今回、国土交通省に報告した際の国土交通省のコメントとして、順調に再発防止が図られているという評価を得られたとのこと。 ダイハツ工業 代表取締役副社長 星加宏昌氏は、「私どもは再発防止を進められるようになってきましたが、ある意味、今がスタートだと思っております。正しい仕事をやりながら改善を進め続けることが重要という認識でおりますので、引き続き見守っていただきたいと思います」とコメントしている。 ■ 認証不正問題に関する再発防止策の四半期進捗報告(3回目)概要 前回の第2回の報告では、モノづくり・コトづくり改革においては、正しい認証業務を行なうための体制や規定を実際に施行して、課題の洗い出しや改善を実施。経営改革・風土改革については、経営幹部を対象とした外部講師によるコンプライアンス研修を実施するとともに、情報連携の取り組みとして、経営陣と従業員がリアルにつながるイベントの定期的な開催や、チャットでざっくばらんにやり取りができる仕組みを構築した。 第3回の報告では、再発防止策102項目のうち、全体の92%にあたる94項目が実施済み、もしくは実施中となった。また、前回は実施準備中だった10項目は現在は0になり、実施に向けためどが立っている状況とのこと。 具体的には、モノづくり、コトづくり改革では、正しい認証業務を行なうために構築した体制やルールに基づき、実際に仕組みと運用の確認を実施。DXを活用した取り組みも行ない、今回の認証不正では認証データの書き換えが多かった事実から、まずは後面衝突試験での計測器試験データを自動で試験成績書に転記するアプリ開発を、年内の実装に向けて取り組んでいるとのこと。これにより、転記ミスや数値の改ざんを防ぐことができるため、今後、自動転記アプリはほかの認証試験にも拡大していく計画としている。 次に、経営改革においては、今回の認証不正でリスクへの備えが十分でなかった反省から、4月に新設したGRC(ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス)推進部が中心となって全社リスクマネジメント活動を開始。平時では、あらゆるリスクを想定することで損失の回避や軽減を図り、有事の際は迅速な対応ができるようにする活動を行なうべく、各部署が洗い出したリスクから、全社重点管理リスクの特定を行なっているところだとした。 風土改革については、開発現場で部署間の垣根のないワーキンググループを立ち上げ、真のワンチームとなるべく本音の議論を繰り返すことで、現場での困りごとやお互いの仕事を理解し合うなど、ダイハツらしいクルマ作りを取り戻す活動を行なっているとのこと。 なお、次回も3か月後の2025年1月をめどに進捗の報告をする予定とし、それまでには近く実施予定の8件を含め、102項目すべて実施済み、もしくは実施中の状態を目指していく。
Car Watch,編集部:北村友里恵