2ステージ制導入のJリーグ のしかかる「11月問題」
実際、ガンバがACL決勝に進出した場合は、モンテディオ山形をホームに迎える最終節に関しては11月上旬の平日を予備日としていた。 リーグ戦の最終節を同日の同時間帯で開催できなければ、優勝争いや年間総合順位争いで不公平が生じかねない。ガンバがアジア王者をかけた戦いに臨んでいれば、別の問題が発生していたことになる。 日程が“飛び石”になることを承知の上で、というよりも他に選択肢がない状況でJリーグは11月を迎えたことになるが、問題は今年だけでは終わらない。村井チェアマンが言う。 「来年はリオデジャネイロ五輪があり、2017年はコンフェデレーションズ杯があり、2018年はW杯ロシア大会があり、2019年はラグビーのW杯があり、2020年は東京五輪があって、飛んで2022年は11月にカタールでW杯が開催される。要はギリギリのなかで、さらにJリーグだけではどうにもならない外的要因で、毎年のように制約を受けることを視野に入れて日程を組んでいかなければならない」 毎年11月に国際Aマッチデーが2日組まれる国際カレンダーは2018年まで確定していて、その後も変わる予定はない。少なくとも来年に関しては、ACL決勝も11月にホーム&アウェーで行われる。FIFAクラブW杯は、来年も日本で開催される。 2月からJ1と平行して開催されてきたACLも、大詰めを迎えている。決勝戦の第1レグはすでに今月7日に終わり、第2レグは同21日に行われる。 日本勢はガンバ大阪が最後まで勝ち残ったが、準決勝で広州恒大(中国)に惜敗した。日本サッカー界としては決勝進出を後押ししていたが、そうなれば物理的にセカンドステージのラスト2試合を別の日程で戦う必要性が生じていた。 何らかの対策を講じる必要があるなかで、Jクラブの代表取締役で形成される実行委員会は、来シーズンの開幕を2月下旬とすることですでに合意している。 2月の開幕となれば、Jリーグ史上で初めてとなる。降雪地域での公式戦開催は、おそらくは第3節までは不可となる。ホームとアウェーを交互に戦うリーグ戦の原則をあえて崩す背景には、11月の歪な日程を是正する狙いが込められている。 実行委員会内ではセカンドステージの最終節を10月最終週あるいは11月第1週までに終了させる案や、チャンピオンシップに出場できるチーム数を削減する案も話し合われている。 10月最終週までに終わらせればいま現在の歪な日程こそ是正されるが、今度はセカンドステージ最終節からチャンピオンシップまでが間延びする問題が生じる。 さらには、11月に行われる予定の2節分をどこかに組み込むことで、過密日程を余儀なくされる。観客動員数が激減する平日開催は極力避けたいので、ゆえに2月の最終週に開幕を前倒しにする。