2ステージ制導入のJリーグ のしかかる「11月問題」
チャンピオンシップは、両ステージの優勝チームと年間総合1位の最大3チームに減らして日程に余裕をもたせる案が浮上している。 しかし、ステージ優勝と年間総合勝ち点1位のチームが重複する可能性は高い。今シーズンで見れば、セカンドステージ優勝に王手をかけているサンフレッチェ広島が、年間総合1位もキープしている。 つまり、3チームで争われる可能性は極めて低い。2チームの対決となれば2004年シーズンまで行われてきたチャンピオンシップと変わらない。同じチームが両ステージを制覇した場合の問題も残る。 リーグと同じく、チャンピオンシップも明治安田生命がスポンサーとなっている。Jリーグが不退転の決意で導入した新大会方式を支援するスポンサー筋とも話し合わなければ、大会方式は変えられないだろう。 すでに「然るべき時期に移行する」ことで合意している秋春制に踏み切り、ヨーロッパのシーズンに合わせる手もある。しかし、2ステージ制を採用している限り、今度はファーストステージ終盤戦の11月に生じる “飛び石”日程で、の興味や関心がスポイルされかねない。 実際、秋春制への移行に関してはJリーグ関係者も「本当に、効果的で根本的な解決になるのか」と懐疑的な視線を向けている。 残り1節時点の総観客動員数は、昨シーズン比で11万5799人増と上昇に転じている。村井チェアマンをして「可能性を感じつつある」と言わしめる2ステージ制だが、継続していく限りは「11月問題」というジレンマをも常に抱え込んでいくことになる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)