国の特別史跡内に許可なくキャンプ場 県の撤去要請後も営業続ける
国の特別史跡「大野城跡」の区域内に、許可無くキャンプ場が開設されていることが4日、分かった。キャンプ場がある福岡県太宰府市や県は撤去を求める指導を複数回行ったが、営業が続いてきたという。 【写真】キャンプ場の敷地内には屋根の付いた建物や遊具が設置されていた=2024年12月4日午後1時9分、福岡県太宰府市、太田悠斗撮影 キャンプ場は西鉄太宰府駅から車で約5分の林道沿いにあり、広さ約3300平方メートル。市によると、市職員が2022年10月に四王寺(しおうじ)山(410メートル)の中腹付近の「大野城跡」区域内に、屋根付きの建物などが設置されているのを確認。この区域では、文化財保護法や都市計画法が定める現状変更や開発の許可が必要だが、それらを得ていなかった。 敷地の地権者の1人で、設置した女性に対し、市や県は23年5月に撤去を求め、複数回指導したが、期限を過ぎても原状回復がされず、今年11月にも改めて撤去を要請したという。 キャンプ場を設置したという女性は朝日新聞の取材に「市役所で『お客さんが自分で(テントを)持ってきて次の日に持って帰るならOKです』と許可をもらった」と主張。市は設置の許可は出していないとする。 大野城跡は665年、四王寺山に造られた山城で山岳寺院としての性格もある。1953年に特別史跡に指定されたが、後の発掘調査で寺院や参道の跡が見つかった山の南東側斜面も追加された。(太田悠斗)
朝日新聞社