TikTok Shop、アウトレット店など、 Z世代 をターゲットにしたブランドの新戦略
1月14日から16日までマンハッタンで開催された全米小売業協会(National Retail Federation、以下NRF)のビッグショー(Big Show)では、小売企業のエグゼクティブが、Z世代の買い物客をオンラインとオフラインの両方でうまくターゲットにする必要性について語った。 購買力がピークを迎える年齢に若年層が達するなかで、小売ブランドは、これらの消費者がどのような買い物を好むかをつねに把握するよう努めている。国際ショッピングセンター協議会(International Council of Shopping Centers)が2023年に行った調査によると、オンラインショッピングを好むZ世代と、店舗での買い物を好むZ世代は、ほぼ同じ割合であることがわかった。Glossyの姉妹サイトであるModern Retailは、今年のNRFではZ世代に焦点を当てたメインステージのセッションがほとんどなかったと報じている。
TikTokでうまくいくと他にもよい影響がある
だが、ステージ外では、小売企業幹部は依然として若年層の買い物客を心に留めているとGlossyに語っている。昨年夏にトゥルーレリジョン(True Religion)のCMOに就任したクリステン・ダーシー氏は、同社は若い顧客に追いつくため、TikTokとYouTubeを倍増させていると述べた。またトゥルーレリジョンでは、ラッパーのクエイヴォ氏などのセレブリティやロサンゼルス・ラムズ(Los Angeles Rams)といった団体とのコラボレーションをいくつか企画し、より若いオーディエンスを取り込もうとしている。 同社はこうした有名人をフィーチャーした短い動画をTikTokとYouTubeに投稿している。最近の投稿では、クエイヴォ氏がトゥルーレリジョンのタトゥーを入れていることを明かしているが、ダーシー氏によると、同社のチームは撮影当日までそれを知らなかったという。YouTubeは同ブランドの男性顧客に特に人気がある。またトゥルーレリジョンのTikTokのフォロワー数は、ダーシー氏がその役職に就いてから500%増加し、10万人を超えた。 「間違いなくビジネスにハロー効果をもたらしている。TikTokでうまくいくと、他のソーシャルチャネルや収益、検索トラフィックにもよい影響がある」とダーシー氏。トゥルーレリジョンの売上は昨年2億6000万ドル(約385.2億円)に達しており、2027年までに5億ドル(約740.7億円)を達成したいと考えている。 同社は昨年10月にはインスタグラムショップの実験を開始した。ダーシー氏は具体的な数字については明かさなかったが、ブランドの期待や予測を上回る収益があったという。 「(ソーシャルコマースは)当社にとって現実的で重要な新たな収益源だと確信した」とダーシー氏は述べた。ブランドのソーシャルコマースのジャーニーにおける次のステップは、TikTokショップをテストすることだ。