【TOPIX見直し】構成銘柄は「全市場が採用対象」、「定期入れ替え」も実施決定…市場への影響は?【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)が解説します。
●JPXは2022年4月の市場再編時に、TOPIXの算出方法を変更し、第1段階の見直しを実施中。 ●今般、第2段階の見直しを公表、対象市場を全市場に広げ初回の入れ替えは2026年10月に。 ●改善余地はまだあるが、企業にTOPIX採用を意識した経営が広がれば市場活性化につながろう。
JPXは2022年4月の市場再編時に、TOPIXの算出方法を変更し、第1段階の見直しを実施中
日本取引所グループ(JPX)は6月19日、東証株価指数(TOPIX)の新しい改革案を公表しました。そこで今回のレポートでは、その概要と市場への影響について考えます。TOPIXはもともと東証1部の全銘柄で構成されていましたが、時価総額が小さく流動性の低い銘柄も含まれるため、これらが指数連動の投資信託に自動的に買い支えられるなどの声も聞かれていました。 そのような意見を踏まえ、JPXは新市場区分の上場制度施行日(2022年4月4日)に合わせ、TOPIXの算出方法を変更しました(図表1)。構成銘柄は、移行先の新市場にかかわらず、同施行日の前営業日(2022年4月1日)時点の銘柄となり、流通株式時価総額100億円未満の銘柄については、2022年10月31日から四半期毎の最終営業日に10段階で構成比率が調整され、2025年1月最終営業日に除外されることになりました。
今般、第2段階の見直しを公表、対象市場を全市場に広げ初回の入れ替えは2026年10月に
JPXは、2022年4月のTOPIX算出方法の変更を「第1段階の見直し」と位置付けており、TOPIXの構成銘柄は25年1月には約1,700銘柄に減る見通しです。今回の新しい改革案は「第2段階の見直し」と位置付けられており、指数の連続性を維持しつつ、構成銘柄の対象市場を、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の全市場区分に広げます(図表2)。また、流動性をより重視し、銘柄の定期入れ替えを実施するなど、広範網羅性や投資対象としての機能性をさらに高めることを目指します。 今後のスケジュールは、2024年6月19日から8月18日まで意見の募集が行われ、9月末頃にルールが最終決定、公表されます。その後は周知期間を置き、初回の銘柄入れ替えは2026年10月に実施されますが、ここで継続採用されない銘柄(移行措置銘柄)は、四半期毎に8段階でウェイトが低減され(2026年10月から2028年7月まで12.5%ずつ8回)、2回目の銘柄入れ替えは2028年10月に実施されます。
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