大谷翔平、『最高の眠り』が『最高の成績』につながる…スーパースターを支える寝具のへのこだわりとは
◇連載「Ohtani Chronicle」特別編 ドジャースの大谷翔平選手ほど「睡眠」にこだわる選手はいないだろう。ナイター時は朝食後に”二度寝”するのが日課で、睡眠時間は「質より量」と10時間以上になることも。今年5月にWBCで同僚だったヌートバー(カージナルス)からの食事の誘いを「寝てるから」と断ったのは有名な話だ。大リーグ挑戦7年目、ワールドシリーズ制覇という夢をかなえた大谷の睡眠を、大手寝具メーカー「西川」が日本ハム時代の2017年から支えている。 ◆大谷翔平、真美子夫人&デコピンと優勝パレードでにっこり【写真複数】 「アスリートの方でも睡眠にそこまで重きを置いていない方が多い中で、睡眠をすごく大事にされている。どうしたらいい睡眠なのか、どの枕の高さが合っているかなど考えながら選んでいた」 こう振り返るのはマーケティング戦略部アスリート担当の忠惠友也(ちゅうえ・ともや)さん(29)だ。枕の高さは1センチ単位で調整し、少しでも合わないと感じたらはっきりと口にしたという。調整の末、現在は柔らかい「粒わた」というつぶ状のわたが入ったオーダーメードの枕を使用。同担当者によると、肩周りの筋肉の影響で一般のものよりもかなり高い枕になっているそうだ。 「多分妥協しようしようと思えば、すぐ妥協できると思うんです。実際、出来上がった枕を体感してすぐ、『はい、合ってる』と言う方も多くいる中で、大谷選手はベッドの上で寝返りをうって確かめて、『ちょっと違うな』となったら『ちょっと下げてほしいです』とか、そういう意見をすぐいただけるので、その辺りが他の方より群を抜いて睡眠へのこだわりは高いのではないかと思う」 大谷がもともと西川の寝具を使用していたことから、2017年3月に「睡眠コンディショニングサポート契約」を結び、今年で8年目になる。現在は同社の「エアーSX」マットレスを使用。表面の多数の凹凸が特徴で、体を点で支えることにより、体圧を分散できる構造になっている。人間の体はあおむけで寝ると腰に約44%、肩に約33%の体重がかかり、腰と肩に大きな負担をかけてしまうが、同社の「エアー」シリーズではその負担を極力分散できるようになっている。同社は同シリーズの持ち運び可能なモデルも提供し、遠征先でも快適な睡眠をとれるようサポート。大谷はこのシリーズのマットレスを高校時代から使用してきたそうだ。 メジャーでも投手と野手の「二刀流」で活躍している大谷は今季、昨オフに行った右肘の手術の影響で打者に専念しながらも、歴史的なシーズンを送った。その影響力は抜群で、大谷の睡眠に対するこだわりが有名になるにつれて一般の人でも睡眠にこだわる人が増加。特に昨年のWBCで優勝した直後の1カ月は「エアー」シリーズのマットレスが前年同月比150%の売り上げを記録したという。 忠惠さんは「体を資本とするアスリートが睡眠を大切にして、寝具にこだわることによって、一般の人にも睡眠の重要性が伝わると思う。大谷選手の活躍を少しでもサポートできているのであればありがたい」とうなずいた。
中日スポーツ