流星群で幕開け 存在感示す惑星 この冬限定の巨大三角も 2025年1月の星空散歩
2025年1月1日。初日の出は神戸で午前7時6分。明石では午前7時7分です。新年最初の1か月も観察したい星空現象が目白押しとなりそうです。 以前に明石で観測された「夕焼けパンダ」 まずは3大流星群のひとつ、しぶんぎ座流星群。4日午前0時ごろ極大となります。月明かりの影響もなく条件は良いとされます。4日未明から明け方にかけてが、観測のチャンスとなりそうです。 国立天文台の公式ホームページによりますと、流星が目立って見え始めるのは4日午前2時頃。時間が経つとともに放射点が高くなり、流星の数も増加。最も多く見えるのは午前5時ごろで、空の暗い所では1時間に約30個と予想されています。その後は夜明けとともに見えなくなります。 では、空のどのあたりを見ればいいのでしょう。流星は放射点を中心に放射状に現れ、空全体で観測できます。 ところで、流星群の名前にある「しぶんぎ座」は、今は存在しない「へきめんしぶんぎ(壁面四分儀)座」という星座に由来します。現在の星座の「うしかい座」と「りゅう座」の境界あたりです。 へきめんしぶんぎ座は、1795年、フランスの天文学者・ラランドによって設定されました。当時は天文学者が新たな星座をつくることが流行していて、100以上の星座があったといいます。そんな「星座が乱立」する状況を解決しようと、1922年、国際天文学連合が現在の88星座に集約。へきめんしぶんぎ座はその際に廃止されました。 流星群だけでなく惑星にも注目です。 3日から5日の夕方には、月に金星、土星が相次いで接近。南西の空に宵の明星を呼ばれる金星と、他の星よりやや目立つ土星が見えます。 3日は、金星のやや下に細い月、4日には月が金星と土星の間に入り、明るい星の3ショットに。5日になると月は土星の上に。3日間続けて観察するとその位置関係の変化や、月の移動を実感することができそうです。 月は他の惑星とも競演します。10日から11日にかけては見ごろを迎えた木星が近づきます。21時(午後9時)頃には南の高い空で目立つ存在になりそうです。 水星は、この頃、日の出前の南東の低い空にあって観察は難しそうですが、火星は観望のチャンスとなります。というのは、地球と火星との距離が最も近づくからです。 365日をかけて公転する地球に対し、火星は687日かけて公転。このことから約780日(約2年2カ月)ごとに火星を追い越し、この時、地球と火星の距離が最も近づきます。最接近は12日23時ごろ、普段より明るく、大きな姿を観察するチャンスとなります。明石市立天文科学館の井上毅館長は、「望遠鏡では火星の表面の模様を観察できます。肉眼でも赤く輝く姿は印象的です」と話します。 地球に最接近した火星は、このあと、月と競演します。13日夜から14日朝にかけて満月が赤い星(火星)に少しずつ近づいていき、14日夜から翌朝にかけては、月が火星から遠ざかっていきます。さらに、16日には「衝」となります。これは太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間です。この頃の火星はとても明るく、最も明るい恒星のシリウス(マイナス1.5等)とほぼ同じ明るさになります。 「木星と火星、そしてシリウスを結ぶと三角形ができます。冬の大三角よりも大きい『巨大三形』です。この冬限定です」と、井上館長。「寒い時期ですが、防寒対策をしっかりして星を楽しんでください」。 (参考:国立天文台ホームページ、早水勉「星空大全」 協力:明石市立天文科学館 井上毅館長)
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