「クマの着ぐるみ」着て高級車を損傷、保険金を請求 詐欺容疑で米当局が4人逮捕
米カリフォルニア州ロサンゼルスで13日、クマに高級車3台の内装を傷つけられたとして保険金をだまし取った疑いで4人が逮捕された。容疑者らはクマの着ぐるみを着て「証拠映像」を撮影し、保険会社に提出していたとされる。 当局によると、容疑者らが証拠だとしていた映像には、高級車ロールスロイスの前部座席に「クマ」がよじ登り、爪を立てながら後部座席へと移動する様子などが映っていた。 カリフォルニア州保険局の捜査員らは、こうした映像に疑問を持ち、令状を取って家宅捜索を実施。すると、容疑者らの自宅からクマの着ぐるみが見つかった。 「映像をさらに詳しく調べた結果、クマは実際には、クマの着ぐるみを着た人間だと判明した」(同局) 捜査では、カリフォルニア州の魚類野生生物局の生物学者にも協力を要請。「明らかにクマの着ぐるみを着た人間だ」と判断されたという。 地元のグレンデール警察とカリフォルニア州高速パトロールも捜査に協力した。 ■30秒ほど車内をウロウロ 捜査員らが「クマの爪作戦」と名付けたこの事件で逮捕されたのは、ロサンゼルス地区で暮らすルーベン・タムラジアン(26)、アララト・チルキニアン(39)、ヴァヘ・ムラドハニヤン(32)、アルフィヤ・ザッカーマン(39)の4容疑者。 保険金14万1839ドル(約2200万円)をだまし取ったとして、保険金詐欺と共謀の疑いで訴追された。現在、サンバーナディーノ郡地方検事局で起訴手続きが進められている。 当局によると、クマに車を傷つけられたとする保険金の請求は3件あった。 最初の請求は今年1月で、容疑者らは2010年式のロールスロイス・ゴースト(販売価格約1560万円)にクマが侵入し、内装を傷つけたと主張。夜間に撮影された不鮮明な映像を提出した。 そこには、「クマ」が車の前部座席と後部座席を物色しながら、約30~45秒間、車内にとどまり、その後、開いたままの助手席のドアから転げ落ちる様子が映っていた。 被害状況とされる写真には、レザーシートとドアの内張り部分にクマの爪痕が写っていた。 このほか、2件の保険金の請求が別の保険会社2社にあった。どちらも損害の発生日、住所、クマによる被害の内容が同じだったという。 車両は、1件が2015年式メルセデスG63AMGで、もう1件は2022年式メルセデスE35だった。 (英語記事 Suspects nabbed for 'man in bear suit' insurance scam)
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