陰謀論情報を発信、30代彼がオカルトに冷めた瞬間 ノストラダムスに、スカイフィッシュの映像が
そして、煽るだけ煽って責任を取ろうとしない人たちは信用できないことを思い知りました。 インタビューではよく『ノストラダムスの予言』が外れて意識が変わったって言ってるんですけど、本当はもう1つあるんです。それがスカイフィッシュです」 スカイフィッシュとは、いわゆる未確認動物(UMA)と呼ばれる存在だ。棒状の身体と複数の羽を持ち、空中を高速で移動すると言われている。 「年齢も上がってきていて、さすがに判断力もついてきていたと思うんですけど、スカイフィッシュの映像を見て、
『……これ虫だろ?』 って思ったんですよ」 テレビ番組では、スカイフィッシュの住処と言われているメキシコの洞窟にテレビスタッフが入り、粘着テープを貼った板を運んでいた。 「この人、どんな気持ちでやってるんだ? って思って。ギャグでやってるんだろうか? まぁ仕事か……と。それで、スッと憑き物が落ちたように冷めちゃいました。これでは世界は変えられないなと思いました」 ■オカルトに代わるもの 熱が冷めたのは中学のときだった。
「『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)と宮台真司先生は言ってて、今は理解できるんですけど、当時は 『そんなのうるさい!!』 と思ってました。日常を壊したかった。 オカルトに代わって、日常を壊すのは科学じゃないか? と思いつきました。具体的に言うと、ドラッグと爆弾ですね。それで理系に進むことにしました。その頃の地元には旧態依然としたジェンダー感覚があり、 『男は理系に進むべし!!』 というのは好まれました」
小学生時代から、一貫して成績は良かった。 理系に進み、首都圏の大学院を卒業するまで化学・生物系の分野を専攻した。 「大学院ではネズミの脳の研究をしてました。脳波をとったり、電極を刺したり。『攻殻機動隊』(講談社)が好きだったので、楽しかったですね。まじめに修士論文も書いて、ちゃんと卒業しました。 この頃もまだ『終末』の話は好きでしたね。『すぐ死にたい』までは時々行くくらいで、何とか生き残りましたが。『ぼんやり死にたい』『ぼんやり世界が終わってほしい』というのは常にありましたけど、むしろ『日常から超越したい』という気持ちのほうが強くなりました。世界が終わるより、科学技術の進歩で精神変容が起こるとか、そういう改革が起きてほしかったです。