【独占直撃】「端末5台」駆使で為替介入?神田前財務官が明かす歴史的円安の“裏側”
■介入効果“一時的”の指摘は「全く間違い」…「チャート見たら明らか」
◇国民経済に影響がある、そういう危機感みたいなところもあった? ーーーもちろんそうですね。しかもそれが、なんていうか、人為的なものなんですよね、ある意味。不幸な災害、地震、天災…、天災の一部は気候変動で、人為的な部分もあるのかもしれませんけど、それは避けられない。 けれども、マーケットの動きの少なからずというのは、「投機」という、それ自体は市場経済ですから、悪いというわけではありません。 ただ、そういう一種のお金儲けの動きの中で、結果的に多くの、普通に生きている人たちの生活が脅かされる場合は、政府として、“市場の失敗”として、何らかの対応を取らざるを得ないことはよくあることだと思います。 ◇「介入」は効果が一時的という声もあるが? ーーーそれは全く間違っています、非常に。一時的っていうのは。まず効果っていうのが何かっていうと、我々は、この過度な変動を抑制したり、是正するためにやっているわけで、「1回限り」として、何かの水準を求めたことはありませんし、今後もそうです。変動為替相場制なんでですね。 で、やればそれは当然、その投機に対してはかなり効き目があって、とりわけ、ファンダメンタルズと乖離している場合っていうのは、介入は効いているというのは、もうマーケットの評価ですね。 別に私が、自分で自分のことを評価する立場にありませんけど、それはもうチャートを見たら明らかですから。
■8月1日からは内閣官房参与に…今後の政府との関わりは?
◇今後、どういうふうに政府と関わっていきたいと思われるか? ーーーいえ。今後はまだ何も考えていません。というかまだ1日ありますので(*注:7月30日に取材)、一生懸命、公務の要請に最大限、応えていくことに尽きると思っています。 ◇財務官の退任後については? ーーーまあ、これからですね。もちろん、ずっと仕事ばっかりだったんで、家族と一緒に、あるいは趣味もしたいですけれども。ただ、公務の要請があれば、そうも言っていられないので、何ていうか、先のことはわからないということです。 ◇大変だったなという、そんな3年間だったか? ーーーいや、そうでもないです。非常に恵まれた、本当に素晴らしい仲間、あるいはカウンターパートに恵まれてきましたので、そして何よりもやっぱり、鈴木(財務)大臣をはじめ、素晴らしい方々の指導を得ていたので、そんなにストレスはなかった。 ただ、物理的な勤務時間、もうほとんど土日ずっとありませんでしたが、これは3.11、東日本大震災のとき以来ですね。 あの当時は主計官で、やはり同じような感じで、ずっと泊まり込みに近いような。なんか久しぶりに、この歳になって、24時間態勢になったなあっていうので、感慨深いものがあります。 次の体制もみんな立派な奴らですから。ぜひ応援してあげてください。非常にしっかりした人たちですよ。