JR飯山線で44年ぶりSL運転 晩秋の長野から冬支度の新潟へ
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JR飯山線の沿線活性化の期待を受けたSL(蒸気機関車)の運転が19、20日の2日間、飯山(長野県)~長岡(新潟県)駅間で行われました。沿線には多くの鉄道ファンが駆け付け、一時は国道が渋滞。SLは晩秋の信州から、冬支度が始まった新潟へ駆け抜けました。
■19、20日の2日間
SLの運転は、動輪が3つあるC11型の蒸気機関車と旧型の客車3両の編成。午前9時過ぎに大勢の市民らに見送られて飯山駅を出発し、午後3時前に長岡駅に着きました。20日は長岡を午前8時過ぎに出発、飯山に午後3時前到着のダイヤです。 沿線では鉄道ファンや地元の住民らがカメラを構え、撮影ポイントは車や人で混雑。道路上にはみ出て交通事故とならないように警察などの車が巡回し、路上駐車などを注意していました。
長野県境の桑名川駅や森宮野原駅付近から、週末の観光の車や列車を追いかける鉄道ファンなどの車で渋滞が発生。新潟県の十日町市付近までノロノロ運転が続きました。 昼前に列車が着いた十日町駅のホームでは「十日町きもの女王」などが出迎え、地酒の振る舞いも。市などの関係者がホーム上で出発式を行い、列車にゴーサイン。入場券を買った家族連れなどがホーム上にあふれ、高い汽笛の音で出発する列車を見送りました。
飯山から新潟に向かう長野県側は里山の紅葉がまだ見ごろの状態。新潟県の十日町駅が近づくと、街の中は早くも冬支度。10度以上の水を噴出させて積雪を防ぐ「消雪パイプ」の点検整備も各所で行われていました。 飯山線のSL運行は1972(昭和47)年以来44年ぶり。長野、新潟両県の沿線自治体や市民が沿線地域の活性化を図る狙いでJR東日本と検討を重ねていました。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説