前澤友作が激怒したメタ社の「詐欺広告」がヤバかった…元有名政治家を騙った「投資詐欺」の全貌
「LINE」を追加すると、すぐに「返信」が
著名人になりすました詐欺サイトの多くは、海外の詐欺グループが作っていますので、日本語の間違いがどこかに出てきます。これまでの文章のなかにもわずかですがありました。それは「投資クラブ」ではなく「投資クラプ」になっています。ですが、なかなかこうした点を見抜くのは難しいので、気づかなかった方は特に広告をタップしないことが大事になります。 LINEでつながると、すぐに返信がありました。 「はじめまして、泉房穗です。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか? 今後の交流で、お手伝いができればと思っています」 そこで名前を伝えると「多田さんは私のことを大体わかっていると思います。25年以上の投資市場での経験があり、いくつかの友人と一緒に株式市場のさまざまな分野を専門的に研究してきました。現在、日本(アメリカ)の株式、ファンド、外国為替、投資信託、仮想通貨、先物などについて深い理解を持っています」などという言葉が返ってきます。 さらに「多田さんは投資市場にどれくらいの期間身を置いているのですか?」などの質問があり、「勉強というのは自分の経験を少しずつ積み重ねて、しっかりとした基礎をつくるものです。基礎がしっかりしていれば、どのような投資分野でも安定した収益を得ることができます。最近、長年にわたり共に仕事をしてきた友人の沼田さんも、国内投資家の投資力向上のために公開講義を行っています」として、「もしよろしければ、下記の沼田さんの連絡先を追加して、メッセージを残していただければ幸いです」といいます。 この投資詐欺の手口として、なりすました著名人はあくまでも投資詐欺サイトに誘導するためのきっかけに過ぎません。沼田とつながると、「このグループで成長し、収益に繋がることを願っています」というメッセージがきました。この後には、投資グループに誘われて参加すると、儲かっている状況が次々に書き込まれて、投資への気持ちを煽られることになります。そして本題である、偽の投資サイトに個人情報を入れてアカウント登録をするように促されます。 詐欺につながるFacebookの広告に対して「いいね」が多数ありましたので、そのなかで偽の投資サイトに誘導されている人がいるかもしれないと思い、すぐに記事にして注意を呼びかけました。 しかし本来ならば、こうしたことをせずとも、SNSのプラットフォーム側でこうした広告を排除してくれればよいのですが、声明を見る限り期待できないので、あえて広告の先に進んで注意喚起しました。しかしこれは詐欺に気づいた人が火の粉を払う効果が精いっぱいのところです。本来は、こうした広告自体を出さず、出ても通報があれば、すぐに削除することが必要です。メタ社の本気での詐欺広告の排除の取り組みを切に願います。
多田 文明(詐欺・悪質商法ジャーナリスト)