『虎に翼』国の勝訴で終わった『原爆裁判』。しかし国側の被告代理人・反町の表情は硬く…視聴者「彼もずっと傷ついて」「安堵してるようにも」「とにかく川島潤哉さんの演技が素晴らしかった」
◆そして告げられた判決 その後汐見は、原爆の被害は一般災害の比ではなく、国家が十分な救済策をとるべきことは当然である旨を強調。その一方で、その職責はもはや裁判所ではなく、立法府である国会と行政府である内閣にあると述べました。 終戦から十数年が経過し、高度の経済成長を遂げた日本において、国家財政上、救済ができないことが不可能とは到底考えられない、と非難しながら政治の貧困を嘆きます。 最後に「主文。原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。閉廷します」と判決を述べる汐見。これにより、実に8年にわたって続いた裁判は「国の勝訴」で結審しました。 判決を前に、よねのほほには一筋の涙が。そして岩居が亡き雲野の写真立てをそっと手に取ったところでドラマは幕を下ろすのでした。
◆国側の被告代理人・反町忠男にも注目が ついに判決を迎えた「原爆裁判」。 判決主文よりも判決理由が先に読まれるという異例の流れに、裁判に集った一同はみな動揺する様子を見せました。中でも、かたい表情を保ちながらも、感情に若干の揺らぎを見せた、国側の被告代理人・反町役の川島潤哉さんの演技にひきこまれた視聴者が多かったようです。 ネットでは「感情が揺らいでいるであろう反町。それを表現する川島さんの演技が本当に素晴らしかった」「この裁判の中で、反町さんもずっと傷ついてきたのだろう」「汐見が読み上げた判決理由は、反町の心の声そのものだったのかも」「反町さんが判決理由を耳にしながら、すごく傷ついてるように見え、一方で安堵してるようにも見えて…」「勝訴した側なのに葛藤した様子も見せながら、判決理由に聞き入っている反町。それも当然、なぜ立法行政はいつまでも貧困なんだと、公然と司法から問われたようなものなのだから」といった声が次々にあがっていました。 朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。 仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを担当。脚本は吉田恵里香さんが、主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。
「婦人公論.jp」編集部
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