全国出場〝横綱〟目指す 松阪工・久保君ら4人、ロボット相撲で 三重
東海優勝など上位
三重県松阪市殿町の県立松阪工業高校ロボット部(宮本直樹顧問、11人)の2、3年生4人がこのほど富山県で行われたロボット相撲の東海地区予選で優勝するなど上位に入賞。11月と12月にそれぞれ行われる全国大会へ出場し、〝横綱〟を目指す。 同部が出場した「高校生ロボット相撲大会2024北信越・東海地区予選」(富士ソフト主催)では、12台が参加した500グラム級自立型で、電気工学科2年・久保匠君の「クリーパー」が優勝、29台が参加した同級ラジコン型で機械科同・堀田陽路窓君の「歩兵(ふひょう)」と、同3年・武田直大君の「キツツキ」がそれぞれ同率5位入賞を決めた。13台が参加した3キロ級ラジコン型では、同・中山大成君と堀田君のペア「牙狼(がろう)」が4位に入賞した。 500グラム級の久保君と堀田君、武田君は、海外勢から大人まで全206チーム(自立型89、ラジコン型117)が出場する「全日本ロボット相撲全国大会2024」(12月7、8日、東京・両国国技館、富士ソフト主催)に出場。3キロ級ラジコン型の中山君と堀田君は、同型に32チームが出場する「高校生ロボット相撲全国大会2024」(今月30日、福島県、全国工業高校学校長協会主催)に出場する。また同大会には7月に鈴鹿市で行われた「高校生ロボット相撲東海選手権」の500グラム級ラジコン型で優勝した電子工学科2年・谷口能暖君も既に出場を決めている。 500グラム級自立型で優勝した久保君は、機体に3Dプリンターで製作したアームを取り付け、その先端にスポンジを付けているのが特徴。これにより正面で相手を捉えて押し出すことができる。全国大会に向けては、機体を低重心にして安定感を増すように改良するといい、久保君は「県大会も含めて、初めて優勝できてうれしかった。全国ではベスト8を目指していきたい」と話した。 同級ラジコン型でベスト8入りした武田君は2回戦からの登場で1勝した。「1回も勝てないと思っていたので、びっくりした。相手との相性がよかった。(全国に向けて)改良を重ね、相手の機体を下からすくって押し出せるようにしていきたい」と語った。堀田君は「2勝できてびっくり」としながらも、機体が後ろに倒れても起き上がれるように、後方部分の形などを全国大会に向けて変更するといい「1回機体を分解して作り直す。今月は修学旅行もあるので、調整が間に合うか分からないけれど、精いっぱい頑張りたい」と話した。 堀田君とペアを組み、3キロ級ラジコン型で4位に入賞した中山君は「先輩から譲り受けた機体がもろくて壊れやすくなっていたので、部品の改良を重ねて、まずは外装を強くした」と振り返った。3Dプリンターで留め具を量産してすぐに交換できるようにして軽量化に努め、浮いた重量を前面のブレードに加えるなどの改良を重ねたという。その上で「全国では、まずは1勝が目標。先輩の最高順位だったベスト16を越えたい」と意欲を燃やしている。
◉ロボット相撲
土俵上で2台の〝ロボット力士〟が戦い、相手を土俵外に押し出すことで勝敗を決める。3キロ級はロボットの最大サイズが幅・奥行き20センチ以内で、直径154センチの鋼製の土俵上で対戦する。500グラム級は最大サイズが幅・奥行き10センチ以内で、直径77センチの木製の土俵で対戦する。いずれも高さ制限はなく、プログラムによる「自立型」と、人が操作する「ラジコン型」の2種目ある。500グラム級は2022(令和4)年度に新設された部門で、昨年度まではプレ大会として独自に県大会が実施されていた。国内では新しい分野だが、海外では以前から盛んに大会が開かれている。