【阪神】才木浩人が雨中の粘投で12球団トップ5勝目 新調整法身につけ2戦連続120球超え熱投
<阪神7-2ヤクルト>◇19日◇甲子園 やっぱり才木さまさまです!阪神才木浩人投手(25)が雨中の熱投で12球団単独トップの今季5勝目を手にした。 雨でマウンドがぬかるむ中、6回を5安打2失点。4回無死満塁では岡田彰布監督(66)から「三振指令」を出されながら、決勝の押し出し四球も選んだ。チームは3カード連続の勝ち越しで2位広島に1・5ゲーム差をつけ、交流戦前の勝率5割以上を確定させた。岡田監督は阪神監督通算500勝目。「日曜日の男」が指揮官に節目の1勝を届けた。 ◇ ◇ ◇ 雨粒を全身に受けながら、それでも才木は集中を切らさなかった。2点リードの5回。2四球で2死一、二塁のピンチを招き、先制犠飛を浴びていた5番サンタナとの対戦だ。フルカウントまでもつれた6球目。外角低めの134キロスライダーで見逃し三振に仕留めると、自然とガッツポーズが飛び出した。 「フォアボールで出したランナー。かえしたらズルズル行くかもしれなかったので。大きかったですね」 初回に2失点を喫したが、その後は無失点を継続。試合前から降る雨の影響で、3回にはマウンドに土が追加された。グラウンドがぬかるむ中でも6回5安打2失点。122球の熱投で、12球団単独トップの今季5勝目を挙げた。 同点の4回無死満塁では自ら決勝点をもぎ取った。打席に向かう直前、岡田監督から今岡打撃コーチを通じて「三振せえ」と指令を受けた。才木は「ボール球まで振るんですか?」と天然ぶりも発揮したが、再び指揮官から出された「ボール球を振ったらあかんやろ」との指示で我に返った。 「僕だったら、あの場面でスクイズがあるかなと考える。構えられるのはちょっと嫌なので」 バントの構えなどもチラつかせながら、1球も振らずに押し出し四球を奪取。遊ゴロで打点を挙げた18年8月22日の中日戦以来、実に6年ぶりとなるプロ通算2打点目で自分自身を楽にした。 完封勝利を飾った12日DeNA戦に続き、2戦連続の120球超え。昨季は5月1日にいったん出場選手登録を抹消されているが、今季は疲れを感じさせない投球を続けている。 「中6日のコンディションがうまくできている。5月の頭から半ばぐらいに絶対疲労が来るけど、今年はないので」 今季はトレーニングとケアに充てる割合を変更。8割をトレーニングに充てていた時間を今季は5割から6割に落とし、残りはケアに充てる。回復への意識が快投につながっている。 チームは3カード連続の勝ち越し。2位広島に1・5ゲーム差をつけ、交流戦前の勝率5割以上も確定させた。日曜日のローテーションを任される中、同曜日は今季7勝1敗の貯金6。粘りの投球で、岡田監督に阪神監督通算500勝目を届けた。【波部俊之介】