柳田と山田。同じトリプルスリーでなぜ年俸に5000万円の差が?
千葉ロッテの里崎智也氏に、5000万円の差がなぜ生まれたかの意見を求めた。 「僕は、球団が提示した額に選手が納得して判子を押せば、それが適性価格なんだと考えているんです。そういう観点で言えば、柳田の2億7000万円も山田の2億2000万円も適性だと言えます。ただ、この差がなぜ生まれたかの理由についてはハッキリとしています。チームの資本力の差。それしかないでしょう。それも、今に始まった事ではないので、もうこの違いについてなんとも思いません。 会社の利益が多ければ、社員の給与に反映され、利益が少なければ社員への反映も少なくなるのが、資本主義の原則でしょう。サラリーマンの方も、同じ仕事をしていても会社の規模によって給与は違ってきます。無い袖は振れません。僕も、ロッテでなく巨人にいれば、軽く年俸2億円は突破していたと思いますが、逆に巨人にいたら、今の僕はありませんよ。ロッテだからこそお金に変えられない無形の財産をたくさんもらいました。考え方次第です」 3軍まで持っているソフトバンクの今季の本拠地、観客動員数は、パ・リーグで初めて250万人を突破、総年俸も、50億円を超えた。今や人件費の総額は、巨人を抜いて日本一の資金力である。 一方のヤクルトの今季の本拠地の観客動員数は、約166万人。客単価を単純に5000円で換算しても約42億円の収入の違いがある。ヤクルトの総年俸も30億円に届かないのだから、これらの資金力の差を考えると、査定方法云々ではなく、財布の大きさの違いで5000万円の差が生まれるのも無理はないのか。 ただ、山田は履正社から即プロ入りしたため、大学を経た柳田と比べてプロ生活は5年で同じだが、年齢は4つ下。昨今、プロ野球の選手寿命が伸びているため、今後2人がベテランになってからの活躍は未知数だが、山田の方が4年分、全盛期が長いと考えると、現時点での5000万円差はどこかで逆転が可能なのかもしれない。同じトリプルスリーでも、バッティングスタイルも、考え方も、性格も、大きく違う2人のバットマンが、今後どう切磋琢磨して競っていくかは、年俸の推移と共にファンを楽しませてくれる最高のライバル関係になるだろう。