"12日天下"の中日、不気味なヤクルト......それでも、王者・阪神の盤石ぶりは揺るがない?
143試合で争われるプロ野球ペナントレースは、早くも4分の1程度が終了。競馬でたとえるなら、第1コーナーを回ったばかりではあるが、開幕後に話題になったトピックや、各球団の現状を徹底分析する!【プロ野球ペナントレース"第1コーナー"ワイド②】 【写真】セ・リーグ首位打者争いのトップを独走するサンタナ ■思ったよりも早く魔法が解けた中日 開幕当初は最下位スタートを切った王者・阪神だが、気がつけば首位に立ち、4月終了時点での成績は昨季よりもいいほどだ。 「球団ワーストタイの『10試合連続2点以下』を記録するなど、"飛ばないボール"の影響は阪神打線にもありました。でも、その時期を勝率5割で乗り切ったのが大きかった。チーム防御率2点台前半が示すとおり、リードを奪えば勝ち切ってしまう。昨季以上に強い印象があります」 主軸打者の森下翔太、大山悠輔は打率2割台前半、佐藤輝明に至っては打率1割台の低空飛行が続くが、それでも強い要因は何か? 「やはり打線の並びがいいです。森下、大山、佐藤は打率が低く、本塁打も増えないものの、打点は稼いでくれるので、1番・近本光司、2番・中野拓夢が出塁すれば点を奪える。加えて今季はノイジーの調子が良く、8番・木浪聖也は不調ながらも1番につなぐ仕事をするので、1番・近本が打点を稼いでいます」 では、その阪神が復調するまで、「8年ぶりの単独首位」として開幕直後のセ・リーグを盛り上げた中日はどうか? 「"飛ばないボール"の特徴をいち早くつかみ、守備的に戦っているのが中日です。広いバンテリンドームの利点もあり、好スタートにつなげました。救援陣に今も防御率0.00の清水達也、マルティネスがいるのも大きいですね」 ただ、首位だったのはわずか12日間。その後は一気に最下位にまで転落する急降下も経験した。勢いはなぜ止まってしまったのか? 「昨季と比べて何が変わったかというと、内野の守備が良くなったんです。一塁に中田翔が入り、二遊間は田中幹也と村松開人、そこに今季30歳にして調子を上げてきた高橋周平が三塁を固める布陣でしたが、その高橋が4月中旬に離脱したのが痛かった」 代わって三塁を守るカリステは打撃こそ好調だが、チーム最多の3失策だ。