柳田と山田。同じトリプルスリーでなぜ年俸に5000万円の差が?
65年ぶりに2人同時誕生となったトリプルスリーの一人、ソフトバンクの柳田悠岐(27)がクリスマスに契約を更改、今季の9000万円から3倍増となる2億7000万円で一発サインした。 「すごい金額をいただいいた」と柳田は満点の笑顔。 だが、先に契約更改を終えていたもう一人のトリプルスリー、山田哲人(23)は、今季の8000万円から1億4000万円アップの2億2000万円でサイン。もともとベースの額が1000万円違っていたこともあるが、共にプロ5年目の2人に5000万円もの差がついたのはなぜか。 まずは表の今季の数字を比べてみてもらいたい。 柳田の表に書かれている成績以外のデータでは、出塁率.469、得点圏打率.413、得点圏本塁打は8本、セイバーメトリクスの打者評価、NOI(【出塁率+長打率÷3】×1000)は、679.91。タイトルは、MVP、首位打者、最高出塁率、ベストナイン、ゴールデングラブ賞の5つ。 一方の山田は、出塁率.416に、得点圏打率は.345、得点圏本塁打は9本、NOIは、619.88。タイトルは、MVP、本塁打王、最多盗塁、最高出塁率、ベストナインの同じく5つ。 野球という競技は相対的なものなので、単純にセ、パにわかれている2人の数字を比べるのはナンセンスだが、 打率は柳田が上で、本塁打、打点は山田が上。得点圏打率とNOIから見ると、チームへの貢献度はデータ上では柳田が少し上だが、5000万円もの差がつくほどではない。 では、プロ野球査定で重要視される“継続”“積み重ね”という点ではどうか。 2人の通算の数字を並べてみた。 【柳田】460試合 484安打 267得点 65本 228打点 81盗塁 【山田】406試合 486安打 280得点 71本 216打点 58盗塁 盗塁と試合数以外は、遜色はない。逆に得点、本塁打は山田が上だ。 成績と年俸の推移も見ても大きな差はない。 チーム成績を係数の形で査定にかけていく球団も少なくない。優勝すれば、ポンと上乗せされるわけである。その意味でソフトバンクは、昨年も優勝、対してヤクルトは最下位。その差が昨年の1000万円の差になったのかもしれないが、今年に関して言えば両チーム共にリーグ制覇。日本シリーズではソフトバンクが勝ったが、その肝心のシリーズの中身を見ると、柳田は大不振。逆に山田は、1試合3発の驚愕のシリーズ記録を作った。そう考えるとポストシーズン料も、そこまでの大差はないだろう。 大前提として査定に関して12球団に統一基準はなく、各球団ごとにバラバラである。重要項目や配分なども違ってくる。その査定方法がソフトバンクとヤクルトで大きく違っているのだろうか。