福袋の「二極化」進む…関西の百貨店、ヘリ遊覧など高額な体験・食品や雑貨のお得詰め合わせ
関西の主要百貨店で、新春向け福袋の「二極化」が進みつつある。非日常感を味わってもらおうと、高額ながらもさまざまな体験ができる福袋が相次いで登場する一方で、物価高騰を意識して、お得さをアピールした福袋を充実させる動きも広がっている。
高島屋大阪店は、近畿2府4県をヘリコプターで遊覧飛行できる福袋(20万2500円)を用意した。120分間で各地の名所を空から巡ることができ、高島屋の担当者は、「大阪・関西万博で関西への注目が高まるのに合わせ、いつもと違った視点で景色を楽しんでもらいたい」と話す。
近鉄百貨店も、子どもが将棋の杉本昌隆八段と対局できる福袋(5万5000円)などをそろえた。杉本八段は藤井聡太竜王の師匠として知られ、子どもたちに藤井竜王が受けた指導を追体験してもらう狙いだ。
百貨店で取り扱う福袋を巡っては、近年では中身を事前に明かした上で、貴重な体験ができる商品が人気を博している。
一方で、物価高騰を受けて、福袋の原点に立ち返り、高いコストパフォーマンス(コスパ)を売りにした商品を充実させる百貨店もある。
2024年の福袋で7770万円のフライトシミュレーターなどを準備した阪急百貨店梅田本店では、25年向けでは高額な体験型の商品に代わり、人気の焼き菓子10個セット(1296円)などお得さを打ち出した福袋をそろえた。
大丸梅田店は「実用的なお買い得の福袋が一番人気で、今回も力を入れた」(担当者)といい、ハンカチ・雑貨詰め合わせ(1100円)やネックウェアセット(5500円)などを販売する。円安や物価高で、海外旅行や遠出を避ける動きも強まると見込まれることから、自宅用として牛肉やふぐといった高級食材のセットを充実させる動きもある。阪神百貨店梅田本店でも、赤・白ワインセット(5000円)など割安な価格での福袋が並ぶ予定だ。