露朝の軍事協力拡大を非難 NATO意思決定機関「インド太平洋地域にも影響」
【ロンドン=黒瀬悦成】北大西洋条約機構(NATO)の意思決定機関である北大西洋理事会は8日、ウクライナを侵略したロシアが北朝鮮と軍事協力を拡大し、戦火を広げているとして「強く非難する」との声明を発表した。声明には日韓とオーストラリア、ニュージーランドも賛同していると明記した。 声明は「露朝による軍事協力の深化は欧州・大西洋地域の安全保障に深刻な打撃となるほか、インド太平洋地域にも影響を及ぼす」と訴え、北朝鮮との兵器の取引などを禁じた国連安全保障理事会決議を順守するようロシアに要求した。 また、ラブロフ露外相が9月26日、「北朝鮮の非核化という概念は意味を失った。ロシアにとって問題は存在しない」との見解を発表したことに対し、世界的な核不拡散体制を損ね、地域の緊張を一層増大させるもので「容認できない」と強調した。 声明はその上で、全ての国々に対し、ロシアの侵略行為への一切の支援を断つよう要請した。