<独占インタビュー>京大初のプロ、田中の考えるプロ成功計画
――引退したロッテの大先輩である里崎智也氏が、「プロに入れば練習の量を求められ、勉強に当てていた時間が練習になるけど、結果を出す前にプロの環境に耐えることができるかどうかが心配」と言っていました。 「間違いなく、中高時代の練習は、圧倒的に少なかったです。京大でも3年になってからは研究室で過ごさねばならない時間が入ってきて、24時間、野球に集中できたのは、春のキャンプくらいでした。投げ込みも僕は必要だと思うんですが、4年ではできていません。3年秋に延長22回、15回と投げた疲労がとりきれずにできませんでした。コンディショニングについては、プロに入ってすぐにトレーナーの方や先輩のピッチャーの方に聞きたいと考えています。疲れがたまると怪我をしやすいですから。また基礎体力に加えて足も遅い。そこはプロのレベルにないと思います。でも、足の遅さと投球技術は違うという考えもあります。バランス感覚や、可動域、瞬間的なバネなど、そのあたりは、(プロレベルに)劣っていないと思っています。それで、ある程度、投げることができていると思うんです」 ――なるほど。 「ピッチングの動作は、言わば2メートルダッシュですよね。そこの瞬発力が早いと、それがボールの速さにつながると考えています。僕も2歩目までは速いんです」 ――1年目のイメージは、できますか? 「入ってみないことには難しいですね、春季キャンプから作って、もし1軍に残れても、どこかで落ちるでしょう。そのときは、そこで、また体を作り直して、また1軍でいうことを繰り返しながら1年を持てば一番いいですね。最初から1年間、フルで1軍でやるのは怪しい、まだ厳しいと自分でも思います」 ――プロ野球での目標は設定できていますか? 「できるだけ長くやりたいです。10年、15年できれば最高ですが、それまでできるかどうか……目標設定はしていません」 ――先日、母校の講演会で対戦したい打者と聞かれて日ハムの二刀流、「大谷翔平」と発言しましたね? 「はい、大谷!と言っちゃいました(笑)。162キロを投げて、あのバッティングでしょう。単純に『凄いな!』と思っているので対戦したいバッターです」 ――もし実現したら、どう攻めますか? 「当てないようにインコースを(笑)。もし当てたりしたら、凄いバッシングを受けるでしょうから(笑)。ちゃんと分析したわけではありませんが、彼を抑えるとすれば、そこしかないでしょう」 ――京大プロ野球選手のロマンが膨れますね。 「いえいえ、逆です(笑)。今は悲壮感のほうが勝っています」 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)