<独占インタビュー>京大初のプロ、田中の考えるプロ成功計画
――8月下旬にあった阪神の2軍との交流試合を取材しましたが、148キロのストレートに加えて変化球がたくさんあって器用だなという印象を持ちました。持ち球は? 「大学に入った段階では、カーブとスライダーだけでした。カット、ツーシーム、フォークは、大学に入って本格的に覚えたボールです。カーブは腕が緩むんです。プロでは、もう一段階レベルを上げないと通用しないでしょう。阪神戦でも緩むところを見破れ、カーブは通用しませんでした。スライダーは持っている球種の中では、一段階上の高いレベルにあるボールです。プロ相手に腕の振りで、ばれることもありませんでした。スライダーは、このままで行けると思うんです。カットはコントロールの精度の悪いボール。たまたま真っ直ぐがかかって、カットボールみたいな曲がりをしたことがあって『これを意識して投げれるんやないか』と練習しました。でも、まだ、ワンポイントを狙っては投げることができません。フォークは、僕は指が長いんで、落ち幅は凄いんですが、これもコントロールは悪いんです。少し浅めに握るスプリットと2種類あります。投げるボールがなくなったときに使うボールです。阪神戦のときも、スライダーについてこられたので、フォークを使いました。ただチェンジアップだけは投げていません。記事によっては持ち球にチェンジアップとありますが(笑)このボールは、他のボールへの影響力が大きいので、どうしようかと考えています」 ――最速149キロの球威で勝負しようとは考えていないのですね? 「球威とコントロールの、どちらでも勝負できるようにしたいです。その両立は可能だと思っています。ある程度、スピードは天性でしょう。トレーニングによって、もう少しここからもスピードは上がるかなとも思っていますが、現段階で、(ストレートの速さは)ある程度の位置にあると考えています。今の僕に足りないのはコントロール。真っ直ぐが走る日なら、球威で押し切るピッチングができる、走っていないときは変化球を使いながらコントロールで勝負できる、そういう引き出しの多いピッチャーが理想。それが勝てる投手だと思っています」