新型ティグアンは実にフォルクスワーゲンらしい誠実なSUVだった!!! ヒットの予感しかない最新モデルに乗った!!!
新しいフォルクスワーゲン「ティグアン」に、大谷達也がフランス・ニースで試乗した! 【写真を見る】新型ティグアンの内外装など細部を徹底チェック!!!(57枚)
“ベストセラー・フォルクスワーゲン”
フォルクスワーゲンの人気SUV、ティグアンが驚きの大変身を遂げた。 実はティグアン、いまや「ゴルフ」や「ポロ」を抜いて“世界でもっとも売れているフォルクスワーゲン”となっている。2007年にデビューしたティグアンは、これまでに累計760万台以上を販売。2016年に2世代目へと生まれ変わって間もない2019年に初めて“ベストセラー・フォルクスワーゲン”の地位を手に入れると、そのタイトルを2022年まで防衛し続けるグローバルモデルとなっている(2023年のセールスランキングは未発表)。 そんな主力モデルだから、フルモデルチェンジに力が入っているのは当然のことかもしれない。なにしろ、外観が全面的に見直されてプレミアムブランドに負けない質感を手に入れただけでなく、プラットフォームは先代の「MQB」から「MQB evo」に進化。ロングホイールベース化にも耐えられるメカニズム面の強化が図られたほか、インフォテインメントや先進運転支援システムの進化を支えるエレクトロニクス面でも最新のテクノロジーが投入されたのだ。 そうしたなかでも特に注目されるのがパワートレインの進化である。1.5リッター・ガソリンエンジンには初めて48Vマイルドハイブリッド・システムが組み合わされた。 しかも、エンジン自体も気筒休止機構のACTがACTプラスに生まれ変わってバルブタイミングの可変幅が拡大したほか、これまで空冷式だったスタータージェネレーターをパワフルな水冷式に改め、走行中にエンジンの休止と再始動をおこなうコースティング機能も実現している。 ティグアンの1.5リッター・ガソリンエンジンには、燃費改善に効果があるミラーサイクルが先代の一部モデルから採用されていた。新型ではこれがすべての1.5リッター・ガソリンエンジンになる。日本仕様もこのパワーユニットを搭載する可能性が高いと見ていいだろう。 いっぽう、ドイツ本国にはこれ以外にもマイルドハイブリッドを持たない1.5リッター・ガソリンエンジンのほか、2.0リッター・ガソリンエンジン、2.0リッター・ディーゼルエンジン、1.5リッターのプラグイン・ハイブリッド・ガソリンエンジンなどがラインナップされているが、このなかでは2.0リッター・ディーゼルエンジンの日本導入が有力と考えられる。 電子制御式サスペンションの「DCC」が「DCC Pro」に生まれ変わったのも注目ポイントのひとつ。これは可変式ダンパーの減衰率を伸び側と縮み側で個別に設定できるようにしたもので、これまで以上に高い次元でハンドリングと乗り心地の両立が図れるという。なお、この新しいダンパーは日本のKYB製であることが明らかにされている。