インドネシア中銀、金利据え置き 通貨ルピア安定に引き続き注力
Gayatri Suroyo Stefanno Sulaiman [ジャカルタ 18日 ロイター] - インドネシア中央銀行は18日、政策金利の7日物リバースレポ金利を6.00%に据え置いた。通貨ルピアの安定に引き続き注力する。 ロイター調査によると、エコノミスト31人のうち17人が据え置きを予想。残る14人は25ベーシスポイントの利下げを見込んでいた。 中銀はまた、翌日物預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利をそれぞれ5.25%と6.75%に据え置いた。 ペリー・ワルジヨ中銀総裁は記者会見で「金融政策の焦点は、不確実性を増す世界経済の影響に対して、ルピアの安定性を強化することに向けられている」と述べた。 通貨ルピアは10月以降下落圧力を受けており、18日には1ドル=1万6120ルピアと、4カ月ぶり安値を付けた。中銀の発表後に下げ幅を縮小し、直近では1万6085ルピアとなっている。 ワルジヨ氏は、トランプ次期米大統領が関税を引き上げれば、地政学的緊張と相まって、来年の世界経済の成長が鈍化すると予想。サプライチェーン(供給網)の混乱によりインフレが加速し、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを先送りするとの見方が高まっていると指摘した。 インドネシア中銀の金融緩和に関する質問に対し、「まだタイミングは適切ではない」と述べ、引き続き状況を注視していく考えを示した。「インフレ率は低水準であり、経済成長を推進したい」と語った。 一方、ルピアを安定させるため、中銀はより大規模な市場介入を実施し、資本流入を促すために魅力的な利回りで債券を提供し、今四半期は流通市場でより多くの国債を購入したと明らかにした。 三井住友銀行(シンガポール)のエコノミスト、阿部良太氏は、米経済は2025年も好調を維持し、ドルが堅調に推移する可能性があると予想。そのため25年上半期はルピアの安定性が危うくなり、利下げの可能性は低くなるとの見方を示した。