受注1万台に到達! スズキの小型SUV「フロンクス」はコスパ良好?
小型SUVとはいえ、フロンクスは車幅が1.7mを超える3ナンバー車だ。それでも全長は4mを切り、最小回転半径は4.8mと小回りがきくので、車幅をあまり意識することなく市街地を走り抜けられた。もちろん、道幅の狭いところでのすれ違いでは気を使うだろう。しかし、ハンドル操作に対する応答は適格かつ素直で、運転に不安はない。 軽快さが印象的な2WDに対し、4WDは車両重量増による重厚感を伝えてきた。とはいえ、それは鈍重というような不快さではなく、より上級車の感触を覚えさせる個性ともいえる。 ただ、発進においては、やや動力不足を感じる場面もあった。その際は2WD/4WDともに備わる「スポーツ」モードを選ぶとよいだろう。そうすると4WD車でも軽快さが加わる。スポーツモードをうまく使い分けることにより、4WD車では重厚さと軽快さをそれぞれ味わえるということだ。 駆動方式が違っても標準装備の内容はほぼ同一となる。スズキの開発陣に聞くと、フロンクスの強みのひとつは価格と標準装備の内容のバランス、つまりは「コストパフォーマンス」であるとのことだった。 ■競合車種は? 価格とコスパで比較 日本で人気の小型SUV市場に遅れて登場した観のあるフロンクス。競合はいろいろと考えられる。軽自動車販売で競い合う関係のダイハツ工業には、167.7~237.79万円の「ロッキー」(兄弟車はトヨタ自動車「ライズ」、スバル「レックス」)がある。トヨタのヤリスクロスは255.1~315.6万円、ホンダ「WR-V」は209.88~248.93万円だ。輸入車で近いのは329.9万円からのフォルクスワーゲン「Tクロス」(T-Cross)だろう。 ロッキー/ライズ/レックスは車体全長がフロンクスと同じだが、車幅が1.7m以下なので5ナンバー車になる。上記の価格はオーディオレスの場合で、カーナビゲーションが必要であれば追加料金が掛かる。低価格帯はハイブリッド車ではなくエンジン車だ。