15年ぶり復活のホーバークラフト旅客船、操船訓練の事故を届け出ず…船長ら7人を容疑で書類送検
大分県・別府湾で11月、約15年ぶりに旅客船として運航を始めた国内唯一のホーバークラフトの船長らが、3月に操船訓練で事故を起こしながら国に報告しなかったなどとして、大分海上保安部は、運航会社「大分第一ホーバードライブ」(大分市)で訓練に携わった船長ら7人を、船員法違反容疑で大分区検に書類送検した。書類送検は11月27日付。
海保によると、7人のうち2人は3月2日と同21日、訓練中にホーバーを大分空港(大分県国東市)側の陸上のフェンスに衝突させる事故を起こしたにもかかわらず、国土交通相に報告しなかった疑い。さらに、7人全員が訓練中、同法で定められている航海日誌への出入港や事故の記録を怠った疑いが持たれている。
ホーバーを巡っては、昨年11月の訓練初日にガードレールに衝突するなど事故が相次ぎ、同社はこれまでに4件を公表しているが、書類送検された3月2日の事故は公表していなかった。当初は昨年度中の定期航路での運航開始を目指していたが、船体の修理などに時間がかかり、現在も実現していない。
同社の小田典史社長は読売新聞の取材に対し、「指摘されたところを直し、安心安全な運航を心がけたい」と述べた。
ホーバーは11月30日、別府湾で運航を開始。当面は周遊のみだが、12月中に大分空港と大分市・西大分地区のターミナル間を約30分で結ぶ空港航路でも運航を始める方針を明らかにしている。