雲が発生する位置で判明する「寒気の強さ」
先週までは、気温高めで小春日和となっていましたが、今週に入って急に寒くなりました。 【写真を見る】雲が発生する位置で判明する「寒気の強さ」 ■今週になって、「西高東低」の冬型気圧配置の影響で急に寒くなる! 18日(月)正午の天気図を見ると、西に高気圧、東に低気圧と、まさに「西高東低」、冬型の気圧配置です。 なぜ、冬型だと寒くなるのかというと、冷たい空気を持った西の高気圧、シベリア高気圧から冷たい空気が吹き出し、西の低気圧に吹き込むため、その通り道にある日本が冷たい空気の通り道になるのです。 なおかつ、天気図上の等圧線の間隔が狭いほど風が強くなるため、18日から強い寒気が日本に吹き込んだというわけです。 気象予報士の中には、この西高東低の天気図を見るだけで、ゾクゾクっと寒さを感じる人も多いです。 ■雲の位置からもわかる、流入する寒気の強さ 実は、「気象衛星ひまわり」からも、寒気の強さを知ることができます。 18日と19日の気象衛星ひまわりの画像を左右に並べたものです。 冬型の場合、北西の季節風が吹きます。 ここで注目して欲しいのは、北西の季節風がロシアなど大陸から、海水温が高い日本海に出たときに、どれぐらいの距離で、雪雲が発生するかです。 その距離を「離岸距離」(りがんきょり)と呼びます。 寒気が強いと、暖かい日本海との温度差が大きいため雪雲がすぐに発生し、離岸距離が短くなります。 一方、寒気が弱まると、海面との温度差が大きくないため雲の発生に時間がかり、離岸距離が長くなるというわけです。 つまり、19日には離岸距離が長くなったため、今回の寒気はいったん弱まったと考えてよさそうです。 ■寒気は弱まっても、あす20日朝は、けさより寒い所が多い。 ただ、寒気は弱まったと書きましたが、実は、20日の朝の方が、19日朝より寒くなるところが多いようです。 その原因の一つは、夜に晴れて上空に熱が逃げる「放射冷却現象」によるもの。 寒さは、寒気だけでは決まりません。 寒気が緩んでも、あすの朝の寒さには、また注意『寒気』です。 RKB気象予報士 龍山康朗
RKB毎日放送
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