故郷の伝説や民話を熊本弁交えたオリジナル台本で…口承文化を次代に「そぎゃん話知らんだった」らうれしい
「民話は本来、口承で受け継がれてきた。熊本弁で語らないと、その面白さが伝わらない」。ゆかりの地を訪ねて、住民に話を聞くなどして話をふくらませ、方言を豊富に盛り込んだ。これまでに書き上げた台本は200を超える。
「語り座」を結成したのは2009年。第二の人生を、熊本の歴史を楽しく、わかりやすく物語として伝えていこうと決意した。
現在は年数回の公演のほか、民話や伝説の舞台を訪ねるウォーキングやバスツアーも企画する。後進を育成しようと「民話語り塾」も主宰し、受講生たちは2日の公演で、「味噌天神」「山伏塚」「腰折れすずめ」などを紹介した。
「語りはお客さんの生の反応があって初めて成立する。民話や伝説を通して語りのあたたかみを感じて、熊本や地元をもっと愛する人が増えてほしい」
◆プロフィル=1948年、熊本県富合町(現・熊本市南区)生まれ。熊本シティエフエムで「おはなしの森」「森の都歴史ウォーク」のパーソナリティーを務めた。著書に「熊本の民話と歴史話あぎゃん話こぎゃん話」(CDつき)など。熊本市在住。