「思わず手に汗握る…!」スポーツ漫画のアツすぎた「主人公不在の名勝負」
スポーツ漫画では、主人公不在で名キャラクター同士のバトルが描かれる事も少なくない。それぞれに個性豊かなライバルたちが全力でぶつかり合う姿には、主人公が絡んでいなくとも思わず胸が熱くなってしまうものだ。 ■【画像】「イケメンすぎる…」井上雄彦氏が描いた“藤真健司の卒業イラスト”■ 今回はそんな名作スポーツ漫画のアツすぎた「主人公不在の名勝負」を紹介していこう。
■高度な戦いに大興奮!『SLAM DUNK』牧紳一vs仙道彰
国内外で高い知名度を誇るバスケ漫画『SLAM DUNK』。本作は主人公の桜木花道はもちろん、流川楓、三井寿、赤木剛憲、宮城リョータといった漫画史に残る名キャラクターを数多く生み出している。 本作で主人公不在の名勝負と言えば、神奈川屈指の天才プレイヤー・仙道彰と神奈川No.1プレイヤー・牧紳一の戦いだろう。インターハイをかけた決勝リーグ「陵南vs海南大附属」での二人の激突は、見逃せない展開の連続である。 仙道と牧はともに全国屈指のプレイヤーであり、牧は3年生、仙道は2年生と学年は違うものの実力は拮抗している。この神奈川最強プレイヤー決定戦は、始まる前からすでに名勝負を期待せずにはいられなかった。 自由な発想と圧倒的なバスケセンスを見せる仙道と、昨年全国ベスト4の経験値と安定したメンタリティーを持つ牧。二人の超高校級ともいえる一進一退の攻防に、もう一人の神奈川No.1プレイヤー候補である翔陽エース・藤真健司は「オレのいないとこでNo.1争いをするなよな」と嫉妬するほどだった。 この試合が名勝負と言われるのは、試合終了数秒前の一瞬の出来事が大きい。陵南が2点差をつけられた場面で、仙道がボールを持った。残り時間数秒という中で、牧は仙道に追いついたのだ。そこで牧は「おかしい」と違和感に気付く。 そして、牧はシュートを放つ仙道にあえて触れず、同点ゴールを決めさせた。結果的にこの判断が勝敗を分けることになる。 実は仙道は一瞬の判断で、2ポイントシュートに加え、牧のファウルによるフリースロー1点で、逆転しようと考えていた。それを見抜き、あえて延長戦に持ち込む選択をするというハイレベルな心理戦は、牧の優秀さが際立つ名シーンだ。 「決着をつけたかった仙道」と「延長戦を選ぶ牧」という対比は、作中でも最高峰の頭脳戦とバスケセンスのぶつかり合いだったと言えるだろう。どっちが神奈川No.1プレイヤーだったのか考えるだけでも楽しくなってしまう名勝負だ。