【迷える50代のファッションメンター・大草直子さん/前編】「私の人生は誰のものでもない。迷い悩んでも離婚を決めました」
時間をかけて自分と向き合い家族と話し合った「離婚」という決断
今夏、2年の別居を経て離婚した大草さん。本の最終章には、そこまでに至る経緯や心情について、「できるだけ事実だけ」を綴っています。 「離婚のことは2年半話し合って来たので、本の話があった時はその渦中でした。それを書いて欲しいと言われたわけではないんですが、1冊を書き終える中で、自分なりの成長や方向転換、あと、子供たちとひたすら話すことで自分と向き合ったところもあったので、(書く上で)ここをうやむやにしてはいけないなとすごく思ったんです」 時間をかけて家族で話し合った結果、紙の上では受理されたものの「正直、みんなが納得しているというのは無いんですよ」と言います。 「今でも子供たちは、きっと思うところがあるだろうし、特に末っ子は感情が爆発することもあるので、そこは私自身の鏡のようなものだと思って受け止めています。ただ、現状では元夫が一番幸せそうで、これは綺麗ごとではなく、私も今の彼をすごく尊敬しているんですよね。 とはいえ、彼は彼で思うところがあるかもしれないし、子供たちがこの状況に納得するにはもう少し時間がかかるか、最後まで腑に落ちないかもしれない。でも"ごめんなさい、これはあなたの人生ではなく私の人生なんです"という、今はそういう気持ちです」 離婚について書くにあたり、家族が周りから興味本位で何か言われたり嫌な気持ちにならないように、そして、他人に対して自分を弁護したり正当化した表現にならないように、本が出来上がる最後の最後まで、何度も文章をチェックしたのだそう。 「真実は家族がシェアしていればそれでいい。ただ、離婚というものを子供の目を通して書きたくなかったんです。例えば、親にとって離れていることが幸せならそれは子供たちにとっても幸せなこと……みたいな話には絶対にしたくないなと。それは違うし、どちらかといえば本当に辛い思いをさせたわけですから。なので、最後まで何度も客観的に読んで、編集者さんにも何度も聞いて書き上げたこの本は、私にとって宝物ですね」