豊田市能楽堂でアルコール依存症講演会 講師は元TOKIO山口達也さん
令和6年精神保健福祉地域普及講演会「アルコール依存症とともに生きる」が11月8日、豊田市能楽堂(豊田市西町1)で開催された。(豊田経済新聞) 【写真】豊田市能楽堂でアルコール依存症講演会 講師は元TOKIO山口達也さん 依存症について理解を深め、支援の輪を広げていく目的で、アルコール依存症患者の治療に50年以上取り組んでいる医療法人豊和会豊田南病院と豊田市の共催で開かれた同講演会。当日は、アイドルグループ「TOKIO」のメンバーとして活躍し、現在はアルコール依存症の当事者として講演活動を行っている山口達也さんを講師に迎え、350人収容の能楽堂が満席となった。 山口さんは講演の冒頭、バイクに乗り飲酒運転で事故を起こしたことをきっかけにアルコール依存症の治療に取り組んだことを紹介。「医師から完治しないと宣告され、病気とともに一生生きることを決めた。2020年9月22日から断酒しているので、4年間、お酒を止めている」と近況を述べた。 続いて、芸能活動を続けていく中での飲酒行動の変化について触れ、「酒を覚えたての頃は酔う感覚が楽しく、酒のある場を通じて年上の人と交流するのが楽しかった」と当時の様子を振り返った。 自身の依存症については、「30代半ばから酒を飲みたいという精神的な脅迫観念が起こり、自制が利かない状況に陥り、周囲に対して約束を破ったり、嘘をつくようになったりしていった」「依存症の治療に取り組む中で、自己肯定感が低すぎたことに気付いた」と体験を語った。 最後に「変えられないものは過去と他人で、未来と自分は変えられる。今の自分の全てを受け入れていくことが大事」と呼びかけて講演を締めくくると、会場からは大きな拍手が送られた。
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