にぎわう野鳥撮影「遠くから静かに」マナーにも気遣い
野鳥との距離感を保つのが大事
新聞社の写真部員として何回も野鳥や野生動物の決定的な写真を撮ってきた自然写真家の丸山祥司さん(71)=長野市=は、「トンビなどは人家と山との境にある断崖などに巣を作っており、この距離感を保ってやることが大切。むやみに接近してはいけない」と指摘。撮影する場合は「少なくとも100メートルの距離を置きたい」と言います。 また、営巣地の近くで大きな三脚を立てて撮影を続けることも避け、「小さなテントようなブラインドの中からの撮影をなるべく心がけてほしい」。撮影に向いた野鳥の営巣地などを見つけると、スマホなどであっという間に情報が広がるため、カメラマンの集中の度合いも増します。「スマホの影響力には驚きますよ」と丸山さん。野鳥の世界へのITの余波とも言えそうです。 日本野鳥の会やカメラ業界では、野鳥撮影のマナーとして「巣に近づかない」「ストロボを使わない」「撮影地周辺の通行妨害などで迷惑をかけない」などさまざまな指摘をしており、ルールを守りながらの野鳥撮影が期待されています。ハヤブサを撮影していた1人は「この場所がどこであるか、誰にも言いません」と話していました。 (※写真はいずれも長野県北部)
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説