大谷翔平、40打席ノーアーチの原因を徹底分析! 打撃傾向から見えた“スランプ”の理由とは…?
コース別ハードヒット数(2021~2023年)
コース別バレル数(2021~2023年)
大谷翔平、開幕直後の打撃傾向は?
2024年開幕直後になると、過去3年で20%台後半を記録していた真ん中のハードヒットの割合が11.1%に大きく低下、インコースのハードヒットは1本だけだった。 一方、2023年に得意としていた外角や真ん中低め、さらに外角高めのボールコースは高い割合でハードヒットにしている。打球方向と合わせると、外角を引っ張って強い打球にする傾向がみられていた。バレルを記録した投球コースは、真ん中の高低、外角真ん中の3球だけだった。
開幕直後の特徴的な投球と打撃内容の例
開幕直後における大谷選手への特徴的な投球と、打席結果を3つ挙げる。図には球速や球種、打球速度、結果、打球角度を示している。内容やコースはMLB公式HP『Gameday』の記録に準拠した。 ① 3月20日サンディエゴ・パドレス戦第2打席(対ダルビッシュ有) ② 3月30日セントルイス・カージナルス戦第6打席(対ジョバンニ・ガエゴス) ③ 3月31日セントルイス・カージナルス戦第3打席(対スティーブン・マッツ) 今季初安打となった①は、外角高めのボール球のシンカーを引っ張ってシングルヒットにしたものだ。ボールとはいえ、大谷選手が得意とするようになったコースである。 サヨナラ打のチャンスで凡退した②は、真ん中に近い91.1マイル(約147キロ)のフォーシームであった。4シームとしては速くはない球を引っ張り込めず打ち上げた内容は、真ん中~インコース、ファストボールに苦戦した開幕直後の内容の典型といえる。 本拠地ドジャー・スタジアム史上最速の打球となった③は、開幕直後でもヒットにしていた90マイル(約149キロ)未満のチェンジアップを捉えた打球だった。 投手目線から開幕直後の大谷選手に効果的なボールを1つ挙げると、「ど真ん中のフォーシーム」になるのかもしれない。コースはインコースに寄ってもいい。