【SG事前情報】賞金上積みのラストチャンスに懸けるレーサーたち/ボートレース下関・チャレンジカップ
今節のキモ
10月末時点でグランプリ出場が濃厚と見られるのは7800万円以上を稼いでいる14位の松井繁までか。ちなみに昨年グランプリに18位で出場を決めた菊地孝平は、チャレンジカップ終了時で約6927万円だった。今年はダービー終了時で7千万円以上稼いでいる選手がすでに16人おり、ボーダーは大幅に上がる見込みだ。 当地66周年(20年) 覇者の瓜生正義は今年の当地周年、22年のボートレース甲子園でも優出しており相性の良さが際立つ。10月末時点で賞金ランクは17位。2年ぶり17回目のグランプリ出場に向け、今開催でも安定した活躍を見せてくれそうだ。 10月末時点で賞金ランク15位の上條暢嵩、16位の山口剛、18位の丸野一樹がチャレンジカップにはF休みで不出場なので、ボーダー下の選手にとってはチャンスが広がる。 ダービー優出2着で一気に賞金ランクを上げた佐藤翼はグランプリ初出場に向け気合い満点の走りを見せる。10月はダービー前の若松周年でも2号艇で優出しており、近況のリズムはかなり良い。森高一真も逆転ボーダー入りの有力候補だが過去3年、出走歴がないのが少しに気になるところではある。 10月末時点で17位の瓜生と19位の佐藤、20位の森高との差はチャレンジカップの優出6着の賞金780万円で逆転可能な状況にある。これがレース時にどうなっているか注視したい。 チャレンジカップで優出以上が必要となりそうな選手たちにも触れていこう。 昨年のグランプリ出場組からは片岡雅裕、深谷知博、磯部誠、石野貴之がボーダーからかなり下にいる。彼らにとってはチャレンジカップがまさに勝負駆けとなる。片岡、深谷、磯部の3人は過去2年連続でグランプリに出場している。3年連続出場をかけ、初日から予選上位を狙い取りこぼせないレースが続くことになる。この3人の中では22年の全国モーターボート甲子園で優勝している深谷が当地での実績では一枚上と言えそうだ。 そして昨年のグランプリ覇者の石野。今年はここまでピリッとしなかったが、過去にチャレンジカップでは2回の優勝歴があり、決して侮ることはできない。今年と同じくナイターで行われた19年桐生チャレンジカップでは、得点率卜ップからの王道優勝を果たしている。この時期のナイターは日中のレースと日没後で気温が大きく変わることも多い。調整力が求められるだけに、実績のある石野がどこまで仕上げてくるか。 チャレンジカップの選出順位15位と16位の吉川元浩、前田将太は近況の調子がやや物足りない。ただし吉川は07年に当地53周年を勝っているし、20年のSGメモリアルなど当地での優出も多く、当地との相性は良さそうだ。今年の序盤戦は獲得賞金額で上位にいた島村隆幸や篠崎元志はここは優勝条件となりそう。果たして序盤の勢いを取り戻すことができるか!? ナイター開催への移行後、当地では17年チャレンジカップ、20年メモリアルと2回のSGが行われてきた。7年前、今回と同じチャレンジカップを制したのは毒島。自身にとって2度目のSGタイトルで、ナイターSG巧者の異名を決定づける優勝だった。 そして4年前、メモリアルで優勝したのが寺田祥。こちらも自身にとって2度目のSG優勝。そしてうれしい地元SG制覇だった。この時の寺田は予選を1、1、1、2、1着で終え、準優、優勝戦も圧倒。まさに地元の雄にふさわしい走りでファンの期待に応えた。 白井英治は通算118回の優勝(※24年10月末時点)の内、25回が当地。GI優勝も3回ある。18年徳山グラチャンで、地元SG優勝は果たしているが、当地でのSG優勝へのモチベーションは、白井が一番高いのではないだろうか。寺田も白井もグランプリに出場するためには優勝が条件となりそう。今村豊さんの想いを引き継ぐ両雄が、地元SGを盛り上げることは間違いない。 他に当地巧者として挙げられるのは馬場と瓜生。2人とも当地周年覇者だ。基本的にはインが強い水面ではあるが、逃げ以外の決着は特に偏りもなく、柔軟なレースが持ち味の両者にはいかにも合いそう。馬場はグランプリ前に抑えることも考えられるが、ボーダー争いの瓜生はここで少しでも賞金を加算したいだろう。 2年前のボートレース甲子園、優勝戦には今回のチャレンジカップに出場する5選手が優勝戦に進出している。深谷にとってはその時の再現といきたいが…。賞金ランク上位者が、今年の勢いのまま押し切るか、下位からの一発逆転があるのか、熱い、熱いバトルを刮目して待て!
マクール