テスラより「自動運転技術」は上…!日本進出を図るウェイモ(グーグル)のロボ・タクシー「驚異の技術力」と、それでも払拭できない「懸念」
自動運転技術の世界No.1はテスラではなくグーグル
米国で自動運転タクシーの事業を軌道に乗せたウェイモ(米グーグルの親会社アルファベット傘下)が、その勢いに乗って早くも日本進出の準備を始めている。同社は先週、来年初旬に東京で自動運転の実証実験を開始する計画を発表した。 【マンガ】外国人ドライバーが岡山県の道路で「日本やばい」と驚愕したワケ ウェイモはこれまで米国のサンフランシスコやロサンゼルスなど一部の都市で自動運転タクシーの商用サービスを展開してきた。同社にとって、日本は海外で初めて自動運転車の試験走行を実施する国となる。 この実証実験はウェイモと大手タクシー会社「日本交通」、そして配車アプリ大手「GO」の3社による共同で実施される。当初はウェイモが用意する25台の車両で実験をスタートするという。 まずは千代田区や中央区をはじめ都心7区の公道で、日本交通のタクシー・ドライバーがウェイモの車両を運転する。これによって日本国内での自動運転に必要となる地図データや道路環境などの情報を収集していく計画とされる。 今、自動運転の分野でウェイモ(事実上のグーグル)は間違いなく世界最高の技術力を誇る。確かにイーロン・マスク氏が率いる米テスラは、すでに2015年から「オートパイロット」やそれに続く「FSD(Full Self-Drinving)」など自動運転に類似した機能を実用化している。が、これらの関与が疑われる死傷事故が米国や中国で何度も起きるなど安全性に疑問符がついており、数々の訴訟や規制当局の調査対象になっている。 これに対しウェイモはこれまで自動運転の安全性を重視して、拙速な商用化は自重してきた。地球を何周も回るほど膨大な距離の試験運転やここ数年の商用サービスを通じて、死傷事故など深刻なアクシデントは一件も起こしていない。それだけに同社の自動運転技術はより信頼性が高いと言える。 これに対し日本では一部のスタートアップが気を吐いているものの、多くの主要メーカーは完全自動運転よりも「高速道上のハンズフリー運転」など運転支援機能に力を注いでいる。このため今回のウェイモの日本進出には恐らく虚を突かれた感があるのではないか。 世界的に進む自動車革命の中、EV(電気自動車)市場では中国メーカーが勢力を急拡大し、もう一方の柱となる自動運転では米国のグーグルが断トツの技術力を有する。日本に残された最後の基幹産業「自動車」は大丈夫なのだろうか?これまでの経緯を振り返り、今後を展望してみよう。