【闘病】最初の検査から4年後の26歳でついに”甲状腺濾胞がん”と診断「がんに年齢は関係ない」
なんで私が……? 孤独と不安に押しつぶされそうな日々
編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 Nさん: 4年も前からしこりがあったにも関わらず、それ以降の検診で一度も引っかからなかったのになぜ……という思いが強かったです。なにより、甲状腺がんの中でも9割を占める乳頭がんではなく、5%程度の濾胞がんの疑いだったので、ネットにも情報が少なく孤独と不安が大きかったのを覚えています。周りの同年代の子達は普通に生活しているのに、なんで私だけ……? と思った時もありました。 編集部: 発症後、生活にどのような変化がありましたか? Nさん: 治療法を決めなければならないことから戸惑いもあり、 精神的に余裕がなくなった時期もありましたが、今まで以上に日々を大切に過ごすようになりました。 編集部: 闘病に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。 Nさん: 私の職業柄、自身の経験をお客様に話すことが多いので、「どんな経験も誰かのためになる」と思いながら過ごしていました。 編集部: もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか? Nさん: 「落ち着いて、1日1日を大切に過ごしてほしい」「身体をもっと大切にしてほしい」です。多少のことは無理してでもやる性格だったのですが、「身体の声をよく聞いて」と一番伝えたいですね。
若い世代の人も自分の体の声に耳を傾け、検診へ行ってほしい
編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 Nさん: 甲状腺の左葉を摘出したので、甲状腺ホルモンの補給をしています。ちなみに、甲状腺の片葉切除により甲状腺ホルモンの補充が必要になるのは10~30%程度だそうです。私の場合、具体的に「チラージン」を1日に一回服用していますが、それ以外は特に変わりありません。調子が悪い日に倦怠感が出ることはありますが、その都度、適度に休んでいます。 編集部: あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。 Nさん: がんは意外と身近な病気で、若さは関係ありません。多少無理がきく年代だとしても、身体の声を聞いて検診などにはちゃんと定期的に行ってほしいです。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? Nさん: 濾胞がんのように自分で手術・経過観察を選択しなければいけないなど、大きな選択を迫られた時に、親身になって主治医の先生が相談に乗ってくださったことが救いになったので、どこの病院でもそのような体制があればいいなと思いました。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 Nさん: 同じ病気を抱えている方や、同じ世代でこの記事を読んでいる方の中には、きっと不安や恐怖、そして孤独を抱えていらっしゃる方もいると思います。甲状腺がんは早期発見して治療をすれば早期に食い止めることができます。私自身も治療がひと段落した今、この闘病体験がためにたったと実感できているので、悲観的になりすぎずに、自分の体を大切にしながら向き合っていただきたいです。