阪神金本新監督の背番号は「6」が復活!
阪神の新監督に就任した金本知憲氏(47)が、現役時代の背番号「6」を復活させて新監督として指揮を執るプランを暖めていることが25日、明らかになった。 阪神で現役時代の背番号を監督が背負って指揮をとるのは、1988年に故・村山実氏が、永久欠番になっていた自らの「11」を復活させて以来。他球団では、巨人の長嶋茂雄氏が2度目の監督復帰時に、その8年目のシーズンに永久欠番の「3」を復活させて当時大きな話題となったが、阪神時代の金本の象徴である背番号「6」が復活すれば、虎ファンを喜ばすと同時に、その背中でチームに闘志を吹き込みそうだ。 金本は2002年にFAで阪神に移籍した際に背番号「6」をつけた。広島時代の背番号は「10」だったが、阪神では、藤村富美男氏の永久欠番だったため、当初、東北福祉大時代につけていた背番号「5」が頭に浮かんだという。だが、当時の星野仙一監督が、近鉄でFA宣言した中村紀洋氏の獲得に乗り出していたため中村氏の近鉄時代につけていた背番号が「5」ということもあり、金本氏が配慮、「6」をつけた。 阪神の背番号「6」は、初代がレジェンドの景浦将氏、2000本安打の藤田平氏、前監督の和田豊氏と、名選手がつけてきた伝統ある番号。金本氏もその系譜にふさわしく、結果と野球に取り組む姿勢で阪神に改革を起こし、2003年、2005年と2度のリーグ優勝に貢献。“アニキ”“鉄人”と呼ばれ、連続フルイニング出場の世界記録も樹立した。 その功績を称えて、2012年の引退時には永久欠番とすることが検討されたほど。結局、一部のOBからの反対意見などもあり、金本氏自身も、引退の際「これからの選手がつけてくれればいい」と事実上辞退したため、永久欠番とはならなかったが、球団は金本氏への敬意を表して、この3年間空き番としていた。 今回、球団サイドも金本氏に背番号「6」を薦め、金本自身もそのプランを暖めていることで、伝説の背番号が復活する運びになりそうだ。現役時代の背番号を監督、コーチがつけるのは極めて異例だが、その背景には、背番号「6」が永久欠番に近い扱いで空き番になっていたことと、金本氏にとってラッキーな運気を持たらす数字でもあり、「阪神を変えた象徴」とも言える背番号を背負うことで、“これまでのように甘い野球ではありませんよ”という決意を内外に示すことにつながるのかもしれない。背番号「6」が甲子園のベンチから出てくる姿には、ファンの期待感も高まり、球場に一体感も生まれることになる。 故・村山実氏の背番号「11」復活は、結果的に失敗に終わったが、巨人の長嶋茂雄氏は、FAで広島から移籍した江藤智に、それまで監督としてつけていた背番号「33」を譲ることで永久欠番「3」を復活させ、その年に6年ぶりの日本一に輝くなどチームにポジティブな勢いもつけた。たかが背番号かもしれないが、プロ野球に携わる人間にとっては、愛着もある重要な意味を持つ番号なのである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)