自力で入浴できなくなっても自宅の風呂に入りたい 介護保険を使ったサービスと料金は?
風呂やサウナと健康について考える「浴なび」
<世の中の肩書置いて 湯に入る><風呂上がり パパママビール 僕牛乳> 11月26日の「いい風呂の日」に合わせて牛乳石鹸共進社(大阪市)が毎年、募集している「お風呂川柳」の入選作です。どれもほっこりする作品ばかりで、風呂がどれだけ日本人にとって大切で、生活に欠かせないものなのかを再確認しました。 【図解】自宅の風呂でできる水中運動
いくつになっても風呂を楽しみ続けたいですよね。しかし、例えば足腰が弱って、要支援や要介護の状態になったらどうでしょうか。 入浴は意外と体力を消耗する上に、リスクも伴います。急激な温度変化はヒートショックを招く恐れがあるだけでなく、溺水や転倒をしないよう、気を配らないとなりません。そもそも浴槽の縁をまたいで入るためには脚の力も必要です。
自力での入浴が難しくなってきたら、通所先の福祉施設の風呂を利用することを考えてみるといいでしょう。また介護保険の訪問看護や訪問介護を利用して、看護師やヘルパーに手伝ってもらいながら自宅の風呂に入る「入浴介助」という方法もあります。 しかし、寝たきり状態など、ヘルパーのサポートがあっても、自宅で浴槽に入ることが難しいケースもあります。 このような場合は、移動式の浴槽や防水マットなどを積んだ車で自宅を訪問した看護師とヘルパーが入浴の支援をする「訪問入浴介護」というサービスがあります。 まず、看護師が体温や脈拍などを計測し、入浴が可能な体調かどうかをチェックします。続いて部屋に運び込んだ浴槽に湯を張り、入浴を始めます。全国で1か月に約30万回実施されているそうです。 利用料金は1割負担の場合、要支援の人は1回856円、要介護の人は1回1266円。風呂に入ることで全身が清潔になり、心もリフレッシュして、夜間の睡眠を促す作用もあります。 「お風呂をあきらめない」。日本の介護保険の目の配り方に感心しました。(竹井陽平)