「中絶も進められた」難病を抱える5歳の息子を支える母親 「生きたいだけ、生きたらいい」その思いに迫る
これから先、どうしたら
たけちゃんに病気があるとわかったのは妊娠11週目の出来事でした。 医者からは何かしらの重い病気があると言われ、お腹のなかで亡くなる可能性も高く、中絶も進められたとのこと。 「赤ちゃんは生きたいだけ、生きたらいい」と心に決め、受け入れる覚悟をしたみきこさん。実際に生まれてきたたけちゃんの姿を見て「かわいい」と口には出したものの、これから先どうしたらよいのかと思うと、奈落の底に落ちたような感覚だったといいます。 みきこさんはケアが必要なたけちゃんと暮らすため、3年間の育休後、小学校教員を退職。みきこさんが教職に復帰して仕事ができるだけの預かり先はなく、現在はデイサービスが利用できる限られた時間を使って、リモートで色彩知育®︎講師をしています。 現在、たけちゃんは気管切開をしているため、24時間吸引などのケアを行う必要があります。少ないときで30分に一度、多いときで5分に一度吸引が必要です。昼間はデイサービスや訪問看護師さんがいますが、それでも休日・祝日・夜間は代わりの人が誰もおらず、辛い日もあるとのこと。特に夜間は、1時間以上続けて睡眠をとることもできません。その他にも、浣腸を1日2回、飲み物の注入を鼻から胃に管を通して5回ほど行っています。 辛いことは小さなことでも、お友達や訪問看護師さんなど、話せる人に話すようにしているみきこさん。すぐに悩みが解決しなくても心が軽くなるようです。
どんな子も同じように子育てしよう
たけちゃんは絵の具で絵を描いたり、ピアノをしたり、色々なことにチャレンジしています。ピアノや絵の具遊びは10歳のお姉ちゃんと7歳になるお兄ちゃんの育児で取り入れていて、自然と一緒にやっているとのこと。たけちゃんと一緒にできることは、姉弟たちもとても嬉しいようです。 生まれてから次々にさまざまな病気がわかったとき、悩んだ末に「どんな子も同じように子育てしよう」と決めたみきこさん。たけちゃんは、音には反応しないけれど、ピアノが大好きとのことです。 色彩知育®︎教室は、障がいの有無や年齢を問わず同じ時間に同じ内容でできるのが良いところ。たけちゃんが退院してからは、3人一緒に4年間続けています。