分娩休止の背景を院長・医師らが語る-村上総合病院が会見【新潟】
JA県厚生連が運営する村上総合病院は、2025年春からの分娩の取り扱い休止を正式に発表しました。会見では、院長らが休止に至った背景を説明しました。 【動画】分娩休止の背景を院長・医師らが語る-村上総合病院が会見【新潟】 ■村上総合病院 杉谷想一院長 「当院では、3月中旬までを目途に分娩休止という方向になりましたのでご報告します。」 村上総合病院の分娩取り扱い中止により、村上市内にお産ができる施設は無くなります。休止の背景には、JA県厚生連の深刻な経営難もありますが、杉谷想一院長らは地域の病院が分娩を維持する難しさを詳細に語りました。 ■村上総合病院 杉谷想一院長 「産科の先生が1人いれば良いのではなく、(分娩は)チームで行うので緊急時に対応できる麻酔科・小児科・産科に加えて、分娩を維持するために原則当院では8人の助産師が必要。(設備を含め)年間で億以上は最低で維持費に掛かる。」 採算を維持するために年間200人ほどの分娩が必要ですが、今年度は70人程度に留まっています。 ■唯一の産科医 藤巻尚副院長 「確かに分娩数がある程度もう少しあれば続ける可能性はあったんでしょうけど、分娩数の急激な減少というのが私は一番大きな原因と考えています。」 2025年4月以降に出産予定の妊婦は、妊娠20週ごろの妊婦検診から分娩できる他の施設を紹介するとしています。その後も産科医は常勤し、外来診療や妊娠初期の検診・産後のケアは継続するとしています。 ■村上総合病院 杉谷想一院長 「業務の効率化・人件費等の不要な部分はカットしながらも、医療の質を落とさない努力をしている。救急については応需率を上げて、患者も少しずつ外来などで増えているので、必ず経営状況を良くして安心して頂けるような医療を提供し続けたい。」 県と村上市は、市外で出産する妊婦への交通費や宿泊費の支援を検討しています。