木村柾哉が「3年前よりも今の方が本音を言い合えるようになった」と語るINIの現在地
レコーディング中に直己の気持ちが蘇ってきた瞬間も
――とはいえ、木村さん自身は、普段のレコーディングとは違う感覚があった。 特に意識していたわけではないですが、直己の気持ちを乗せつつ歌ったような気がします。クランクアップしてしばらく経ってからのレコーディングだったんですが、歌っている最中に、直己の気持ちが蘇ってきた瞬間がありました。 本音を隠して生きてきた男が、ちゃんと本音を伝えられたこと。なかなか自分の気持ちをストレートに行動に移せなかった直己が、映画の終盤で、人として成長して、新しい夜明けを迎えるような瞬間の、内側から熱いエネルギーが湧き上がってくる感じとか。歌いながら、そういう直己の感情に一瞬で戻れたことが嬉しかったです。
素直に悩みを打ち明けられるメンバー
――「Break of Dawn」にちなんで、これまでのグループ活動の中で夜明けの瞬間を感じたことはあったのだろうか。グループの転換期になった時期は。 いつから、という明確な時期があるわけじゃなく徐々になんですが、数人単位で食事をしながら、悩みを打ち明け合うことが多くなりました。3年前よりも今の方が本音を言い合えるようになった。話す内容も変わってきていますし、みんなの本音を聞くたびに、大人になったなと思います。そういう集まりに誘ってくれるのは、(田島)将吾が多いかもしれない。でも、将吾が声をかけるときは決まって少人数なんです。 一度、プライベートでメンバーが9人ぐらい集まったときがあって、「今みんなで話せれば最高のタイミングだ」と思って、「将吾も来たら?」って誘ったら、「ごめん、今無理」って返信が来たことがあります(笑)。少人数のときは中心人物なのに、大人数になるとタイミングが合わない。それが田島将吾です(爆笑)。 ――メンバーの名前が飛び出したところで、個人としてもっと世間に見つかってほしいメンバーを聞くと、「(許)豊凡ですね」と即答した。 中国語も英語も堪能で、知識も豊富で写真好き。すごく多才だと思います。10人の日本人に対して、1人だけ中国人ということもあって、感性も独特だし、掘れば掘るほど面白い(笑)。INIにいるからこそその対比が際立つと思うので、もっともっと独自性を発揮していってほしいです。