ECBは小幅な利下げ継続を、景気刺激は不要=キプロス中銀総裁
Balazs Koranyi [フランクフルト 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパツァリデス・キプロス中銀総裁は19日、ECBは小幅な利下げを継続すべきとし、景気を刺激する水準まで金融政策を緩和する必要はないとの見方を示した。 「個人的には大幅利下げよりも、段階的に小幅な調整を行うことを好む」とロイターに述べた。「双方向の不確実性が高いことを踏まえると、警戒し慎重になる必要がある」とし、「市場を驚かせ、間違ったシグナルを送ることも避けたい」と語った。 先週のECB理事会では一部メンバーが50ベーシスポイント(bp)の利下げを提案したが、パツァリデス氏は、そうした措置を講じるにはインフレ率が目標の2%を持続的に下回る必要があると指摘した。 「インフレ率が非常に長期にわたり目標を十分に下回ることが予測で示されなければならない」とし、「そうでなければ大幅利下げは支持しない」と言明。「インフレ率のアンダーシュートが非常に長い間続くとは思わない」と述べた。 パツァリデス氏は景気を刺激する水準まで金利を引き下げる必要はないとの見方も示した。 「(景気を熱しも冷ましもしない)中立金利を下回るということは、景気後退に陥っているか、深刻な景気後退が予想されていることを示唆する」とした上で、「ECBの予測はそれを示していない。現時点で金利が中立水準を下回る状況は予想していない」と述べた。 中立金利の水準については1.5─3%との見方を示し、中銀預金金利が3%に引き下げられたことから、到達まで幾分距離があるとは限らないと指摘。 「中立金利がどの水準にあるかは到達すれば分かる」とし、「事前に想定した中立金利に基づき政策を進めるのは難しい」と述べた。 最近のドル高を巡り一部で懸念が出ていることについては「適切な為替相場に関し見解は持っていないが、現在の相場がインフレの問題を引き起こしているようには見えない」と語った。